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2012年04月09日

荻田泰永さんが北極点への無補給単独徒歩を断念

荻田泰永さんが北極点への無補給単独徒歩を断念
極寒の地では吐く息が瞬時に凍り付く(※写真は、全て荻田さん提供。過去の北極行より)

 日本人初の「北極点到達無補給単独徒歩」を目指していた上川管内鷹栖町在住の冒険家・荻田泰永さん(34)が、気候条件の悪化などで北極点踏破を断念し、3月27日に帰国した。

 荻田さんは、「悔しい気持ちもあるが、氷の状態などを見て冷静に判断した。また来年も北極点を目指しますよ」と語り、さらなるチャレンジに意欲を見せている。ゴールデンウィーク前後に札幌と旭川で帰国報告会を開く予定で、日程を調整しているそうだ。

 3月3日にカナダのワードハント島を出発した荻田さんは、約50日をかけて800キロ先の北極点を目指す計画だった。しかし、出発から14日目の約69キロを歩いた地点で続行を断念。

 出発前の氷の状態は過去数年でも例がないほど良好だったが、3月に入り状況が急変。出発直後の段階で3度のブリザードが通過し、氷上に無数の亀裂が入ったという。

 氷自体も薄く例年以上の乱氷帯に阻まれる状況で、今シーズンは同じく北極点を目指していた海外の数チームも相次いでリタイア。出発自体を断念した1チームを除き、荻田さんが最後の“挑戦者”だった。

荻田泰永さんが北極点への無補給単独徒歩を断念
氷原にテントを張る過酷な環境下で歩みを進める

 荻田さんは神奈川県出身。大学中退後、世界初の「北磁極単独徒歩」に成功した冒険家・大場満郎さんが、若者を率いて北磁極を目指すツアーを企画していることを知り、2000年春に参加。以来、毎年のように北極を訪れて経験を積み、08年に鷹栖町へと移り住んだ。

 北極点無補給単独徒歩は、氷点下40℃もの極寒中を約100キロの物資を積んだソリを引いて歩く過酷な旅。ワードハント島までのチャーター便などにかかる約1,000万円の費用を工面するため、スポンサー探しにも奔走した。

荻田泰永さんが北極点への無補給単独徒歩を断念
激しい乱氷帯をソリを引きながら進む

 出発前に、「今回はこれまでの活動の集大成でもあり、今後は自分の体験を若い人たちに伝えたい」と決意を語るなど、周到な準備を行なった上での北極行だった。

荻田泰永さんが北極点への無補給単独徒歩を断念


「ソリやテントなどをよりコンパクトにするなど、オリジナルの装備具の開発を進めます。またスポンサー探しなどで忙しくなりますが、時間はたっぷりある。来年こそ北極点到達を成功させます」と荻田さん。

 不屈の“冒険家魂”にエールを送りたいところだ。



(追記)
 荻田泰永さんの報告会が、次の日程で開かれることが決まった。

4月21日 旭川市で午後2時から
  会場:旭川市民活動交流センターCoCoDe
4月22日 札幌市で午後3時から
  会場:道立道民活動センター かでる2.7(520研修室)
4月28日 東京都で午後2時から
  会場:ハンドレッドスクエア倶楽部(秋葉原スクエアビル7階)

 参加費用は各会場とも1,500円。
 参加希望者は、氏名と年齢、会場名、隊員番号(サポート隊員のみ)を記載の上、メール(info@northpoleadventure.jp)で申し込みを。
 問い合わせは、荻田泰永北極点事務局(一般社団法人 N.A.P. Tel : 03-5724-3364)まで。(あ)


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Posted by 北方ジャーナル at 11:56│Comments(0)ニュース
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