2011年08月03日
笑顔満開! みちのくkidsスクール
学生や教育関係者の手を借りながらお勉強(3日午前、以下同)
東日本大震災の影響で札幌に来ている子どもたちに、いつもと変わらない楽しい夏休みを──。
道教育大札幌校の学生を中心に、約120名のボランティア学生で組織される「みちのくkids」(中脇まりや代表)が、8月1日から7日まで約1週間の日程で開催している「みちのくkidsスクール」の3日目、午前中のプログラムにお邪魔して来た。
同スクールには、厚別区内の公営団地に避難している被災者世帯の小中学生約30名が参加している。午前中は学生らによる学習支援のほか、最終日の7日(日)に予定されているお祭りに向け、歌やYOSAKOI、発表作品の制作などが行なわれ、昼食を挟んで午後は屋外活動となる。
3日目の午後は、さとらんど・モエレ沼公園で思い切り遊ぶ予定。ちなみに昨日は円山動物園を見学したが、明日は真駒内駐屯地での自衛隊見学と八紘学園での農業体験、土曜日は「雪遊び in 美唄」と題し、同市で開催される「歌舞裸(かぶら)まつり」などを満喫すべく足を伸ばすなど、そのプログラムは実に多彩だ。
スクールも3日目、子どもと学生がすっかり打ち解けていた
午前中の学習支援の様子を見ていると、1人で黙々と問題と向き合っている子、ボランティア学生に何度も助言を乞う子など、学習スタイルはさまざまだが、子どもと学生の距離が非常に近いことに驚かされた。
「みちのくkids」副代表の田口祐弥さん(21・道教育大3年)は、
「初日は初めて会う子ども同士で少し気兼ねする様子もありましたが、少しずつ打ち解けてきて、歌やYOSAKOIにも楽しそうに参加しています。学生の側も子どもとの関わり方が分かってきましたし、思っていたより順調ですね」と笑顔で語る。
「午後のプログラムでは、何も気にする必要のない開放感があるせいか、思い切り外を駆け回る姿が印象的です。お出掛けの時だけでなく、帰りのバスの中も賑やかですね」と田口さん。
この日、学習支援の会場となった北海道札幌養護学校の「ふれあいホール」には、中高年の男女の姿も見られた。訊けば、札幌に避難して来た被災者の団体「みちのく会」と連携しながら、被災者宅への家具搬入や子どもたちの転校手続きのサポートを行なってきた「厚別・白石子育てクラブ」(仮称)の有志5名とのこと。
代表の原田勇さん(64)によれば、同クラブは元教員を含む教育関係者14名で組織する団体。「みちのくkids」の活動については、
「非常に意欲的ですね。子育てに不安を抱える被災者も多い中、教育大を中心とする学生が今から子育てに関わることは、彼らにとっても大事なはず」と評価する。
「厚別・白石子育てクラブ」では、8日(月)の朝9時から厚別区内の「いなり公園」(厚別西4条2丁目)を会場に、「夏の朝のトランペット」というイベントを開催するそうだ。
一般開放される最終日のお祭りに向け、作品づくりに精を出す
ところで、「みちのくkidsスクール」の会場に来ていた保護者に話を訊こうとすると、福島県から避難してきたお母さん方の口が明らかに重いことに気付いた。その理由を知るべく白石区にある「みちのく会」の事務所に寄ると、事務局長の本間紀伊子さん(50)から現実に起きている「差別」の実態を知らされた。
「福島の人が東京都内でホテルに泊まろうとしたら断られたという話はザラにあります。福島ナンバーの車を駐めていたら『福島に帰れ』と貼り紙をされた、車が蹴飛ばされていた、そんな差別が本州ではすごく多いんです」(本間さん)
「被災者支援の課題は日々変化する」と本間さん
「北海道ではほとんど差別はありませんが、それでも避難者が多く住んでいる団地の名称が新聞テレビに出た時には、陰湿な嫌がらせがありました。福島に限らず、放射能被害で避難して来た人たちの中には、どこから来たか知られないよう、ひっそりと暮らしている方も多いのです」(同)
感染症でもあるまいし、放射能被曝から逃れるため避難して来た被災者と触れ合ったところで危険があるわけではない。これまでの生活を突然奪われた人たちや、子どものために出来る限りのリスク回避をしよう──と考え避難した人たちに、終戦後の広島・長崎であったようなデマや偏見に基づく「差別」が行なわれているとは、驚きを禁じ得ない。
心ない者たちよ、恥を知れ! 本州で被災者差別が多く行なわれているというなら、北海道が避難の受け皿になれないものだろうか。
高橋はるみ道知事や上田文雄市長には、被災地に向かい率先して「北海道に差別はありません。皆さん、どうぞいらして下さい」と高らかに宣言してもらいたい。同時に、道産子の中から「人間のクズ」が生まれないよう、原発被曝に関する知識を周知する取り組みに一層力を入れていただきたい。(ひ)
スクールも3日目、子どもと学生がすっかり打ち解けていた
午前中の学習支援の様子を見ていると、1人で黙々と問題と向き合っている子、ボランティア学生に何度も助言を乞う子など、学習スタイルはさまざまだが、子どもと学生の距離が非常に近いことに驚かされた。
「みちのくkids」副代表の田口祐弥さん(21・道教育大3年)は、
「初日は初めて会う子ども同士で少し気兼ねする様子もありましたが、少しずつ打ち解けてきて、歌やYOSAKOIにも楽しそうに参加しています。学生の側も子どもとの関わり方が分かってきましたし、思っていたより順調ですね」と笑顔で語る。
「午後のプログラムでは、何も気にする必要のない開放感があるせいか、思い切り外を駆け回る姿が印象的です。お出掛けの時だけでなく、帰りのバスの中も賑やかですね」と田口さん。
この日、学習支援の会場となった北海道札幌養護学校の「ふれあいホール」には、中高年の男女の姿も見られた。訊けば、札幌に避難して来た被災者の団体「みちのく会」と連携しながら、被災者宅への家具搬入や子どもたちの転校手続きのサポートを行なってきた「厚別・白石子育てクラブ」(仮称)の有志5名とのこと。
代表の原田勇さん(64)によれば、同クラブは元教員を含む教育関係者14名で組織する団体。「みちのくkids」の活動については、
「非常に意欲的ですね。子育てに不安を抱える被災者も多い中、教育大を中心とする学生が今から子育てに関わることは、彼らにとっても大事なはず」と評価する。
「厚別・白石子育てクラブ」では、8日(月)の朝9時から厚別区内の「いなり公園」(厚別西4条2丁目)を会場に、「夏の朝のトランペット」というイベントを開催するそうだ。
一般開放される最終日のお祭りに向け、作品づくりに精を出す
ところで、「みちのくkidsスクール」の会場に来ていた保護者に話を訊こうとすると、福島県から避難してきたお母さん方の口が明らかに重いことに気付いた。その理由を知るべく白石区にある「みちのく会」の事務所に寄ると、事務局長の本間紀伊子さん(50)から現実に起きている「差別」の実態を知らされた。
「福島の人が東京都内でホテルに泊まろうとしたら断られたという話はザラにあります。福島ナンバーの車を駐めていたら『福島に帰れ』と貼り紙をされた、車が蹴飛ばされていた、そんな差別が本州ではすごく多いんです」(本間さん)
「被災者支援の課題は日々変化する」と本間さん
「北海道ではほとんど差別はありませんが、それでも避難者が多く住んでいる団地の名称が新聞テレビに出た時には、陰湿な嫌がらせがありました。福島に限らず、放射能被害で避難して来た人たちの中には、どこから来たか知られないよう、ひっそりと暮らしている方も多いのです」(同)
感染症でもあるまいし、放射能被曝から逃れるため避難して来た被災者と触れ合ったところで危険があるわけではない。これまでの生活を突然奪われた人たちや、子どものために出来る限りのリスク回避をしよう──と考え避難した人たちに、終戦後の広島・長崎であったようなデマや偏見に基づく「差別」が行なわれているとは、驚きを禁じ得ない。
心ない者たちよ、恥を知れ! 本州で被災者差別が多く行なわれているというなら、北海道が避難の受け皿になれないものだろうか。
高橋はるみ道知事や上田文雄市長には、被災地に向かい率先して「北海道に差別はありません。皆さん、どうぞいらして下さい」と高らかに宣言してもらいたい。同時に、道産子の中から「人間のクズ」が生まれないよう、原発被曝に関する知識を周知する取り組みに一層力を入れていただきたい。(ひ)
Posted by 北方ジャーナル at 16:24│Comments(0)
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