2011年05月31日
被災者のために、今できること
心に沁みる言葉を書き添えた日めくり式のカレンダー
津波や原発事故など甚大な被害をもたらした東日本大震災。被災者の心に寄り添い、少しでも笑顔を取り戻してもらうために何をすればいいのか──。励ましの言葉を書き込んだ日めくりカレンダーを被災者に届ける札幌市の「西区山の手27町内会」と公開授業で被災地の現状を知り“今できること”について考えた「星槎国際高校」。それぞれの取り組みから、被災地へつなぐ思いを紹介する。
【1】言葉の力で被災者に元気と勇気を──西区山の手27町内会
カレンダーの書とイラストは造形作家でもある石島さんの作品だ
札幌市の西区山の手27町内会は「くじけないでね 元気に生きよう〜一人暮らしの一言カレンダー」と題した日めくり式のカレンダーを製作し、被災地や道内に一時避難している被災者に送る活動を続けている。考案したのは同町内会長で造形作家の石島忍さん。このカレンダー、元々は町内の独居老人を励まそうと企画したものだが「被災者の心のケアにも役立つのでは」とカンパを募り、これまでに1500部を印刷しプレゼントしてきた。
「今辛くても出会い想いで明日を信じる」「旅立ったあなたの言葉は心の湯たんぽ」「夜はあなたのクツ下をはいて寝る」「鏡の前で口紅さすとあなたに会える」「一歩ふみだす勇気がこれからのエネルギー」・・・など、温かくてちょっぴり切ない31の言葉が石島さんの書とイラストで綴られている。心に沁みる“一言”は石島さんが高齢者との会話の中で心に響いた言葉や自分が書き溜めたメモの中から選んだという。
「被災者の方は仮設住宅に入居後3日間はほっとするが4日目になると空虚な気持ちになると聞きました。そんな時にこのカレンダーを見て元気と勇気を取り戻してもらいたいのです」(石島さん)
母校である北海学園大学の学生が近くボランティアとして被災地で活動する計画があることを知り、カレンダーを学生たちに託して現地に届ける計画も立てている。
「これからは義捐金だけでなく、言葉という“知の力”で被災者を励ますボランティアも大事になってくると思います」と力を込める。
■問い合わせは石島さん(電話011・621・5380)へ。
【2】被災地の仲間を支援する公開授業
被災地仙台の現状を報告する塩谷センター長(左)
芦別市に本部を置く通信制の「星槎国際高校」は、札幌・当別両学習センターの公開授業「東日本大震災被災地の仲間たちへ〜いま、わたしたちにできること」を27日、札幌市北区の札幌サンプラザで開き、生徒たちが被災者支援の取り組みについて考えた。
同校は全国に16カ所の学習センターを置くが、今回の大震災では仙台、郡山で学ぶ多くの生徒たちが被災し校舎も被害を受けた。公開授業は被災地仙台の現状を知ることで、仲間たちのために何ができるかを考えてもらおうと開かれた。
被災地である仙台学習センターの塩谷貴男センター長らが、「現地の様子と復興に向けて」と題して報告。YOSkOI鑑賞などのステージや来場者からの義捐金の募金や売上金の一部を被災地に送るための物品販売なども行なわれた。
車を運転中に被災したという塩谷センター長は、大震災の直後の仙台の惨状と復興の様子をスライドを交えながら紹介。「生きているだけで100点満点。命を大事にする意味を震災を通して知った」と語り、「生きていることに感謝して幸せを感じ、今できることに全力で取り組むこと。どんな困難な場面にも笑顔と勇気を持つことが大事。与えられた人生を亡くなった人たちのために全うしなくてはいけない」と生徒たちに訴えた。
続いて登壇した北海道NPO被災者支援ネットの井上秀美事務局長は、東日本大震災で札幌に避難している被災者数が5月20日現在で666人に達したと報告。「福島県から自主避難してきた親子が多い。非日常から日常の生活を取り戻してもらうためにも、札幌の社会資源を利用することが大事。(避難者の)話を聞く、道案内をするなど人とのつながりを意識した行動をして欲しい」と話し、生徒たちは熱心に耳を傾けていた。 (あ)
カレンダーの書とイラストは造形作家でもある石島さんの作品だ
札幌市の西区山の手27町内会は「くじけないでね 元気に生きよう〜一人暮らしの一言カレンダー」と題した日めくり式のカレンダーを製作し、被災地や道内に一時避難している被災者に送る活動を続けている。考案したのは同町内会長で造形作家の石島忍さん。このカレンダー、元々は町内の独居老人を励まそうと企画したものだが「被災者の心のケアにも役立つのでは」とカンパを募り、これまでに1500部を印刷しプレゼントしてきた。
「今辛くても出会い想いで明日を信じる」「旅立ったあなたの言葉は心の湯たんぽ」「夜はあなたのクツ下をはいて寝る」「鏡の前で口紅さすとあなたに会える」「一歩ふみだす勇気がこれからのエネルギー」・・・など、温かくてちょっぴり切ない31の言葉が石島さんの書とイラストで綴られている。心に沁みる“一言”は石島さんが高齢者との会話の中で心に響いた言葉や自分が書き溜めたメモの中から選んだという。
「被災者の方は仮設住宅に入居後3日間はほっとするが4日目になると空虚な気持ちになると聞きました。そんな時にこのカレンダーを見て元気と勇気を取り戻してもらいたいのです」(石島さん)
母校である北海学園大学の学生が近くボランティアとして被災地で活動する計画があることを知り、カレンダーを学生たちに託して現地に届ける計画も立てている。
「これからは義捐金だけでなく、言葉という“知の力”で被災者を励ますボランティアも大事になってくると思います」と力を込める。
■問い合わせは石島さん(電話011・621・5380)へ。
【2】被災地の仲間を支援する公開授業
被災地仙台の現状を報告する塩谷センター長(左)
芦別市に本部を置く通信制の「星槎国際高校」は、札幌・当別両学習センターの公開授業「東日本大震災被災地の仲間たちへ〜いま、わたしたちにできること」を27日、札幌市北区の札幌サンプラザで開き、生徒たちが被災者支援の取り組みについて考えた。
同校は全国に16カ所の学習センターを置くが、今回の大震災では仙台、郡山で学ぶ多くの生徒たちが被災し校舎も被害を受けた。公開授業は被災地仙台の現状を知ることで、仲間たちのために何ができるかを考えてもらおうと開かれた。
被災地である仙台学習センターの塩谷貴男センター長らが、「現地の様子と復興に向けて」と題して報告。YOSkOI鑑賞などのステージや来場者からの義捐金の募金や売上金の一部を被災地に送るための物品販売なども行なわれた。
車を運転中に被災したという塩谷センター長は、大震災の直後の仙台の惨状と復興の様子をスライドを交えながら紹介。「生きているだけで100点満点。命を大事にする意味を震災を通して知った」と語り、「生きていることに感謝して幸せを感じ、今できることに全力で取り組むこと。どんな困難な場面にも笑顔と勇気を持つことが大事。与えられた人生を亡くなった人たちのために全うしなくてはいけない」と生徒たちに訴えた。
続いて登壇した北海道NPO被災者支援ネットの井上秀美事務局長は、東日本大震災で札幌に避難している被災者数が5月20日現在で666人に達したと報告。「福島県から自主避難してきた親子が多い。非日常から日常の生活を取り戻してもらうためにも、札幌の社会資源を利用することが大事。(避難者の)話を聞く、道案内をするなど人とのつながりを意識した行動をして欲しい」と話し、生徒たちは熱心に耳を傾けていた。 (あ)
Posted by 北方ジャーナル at 09:28│Comments(0)
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