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　意識調査に回答したのは1306人。札幌の検察官も含まれている
　（札幌市中央区の札幌第3合同庁舎）

　14日夕、札幌地方検察庁で本年4回目の定例記者会見が開かれ、同地検の米村俊郎次席検事は10日に結果が発表された検察官意識調査について「設問によっては、何を前提とした問いなのか微妙なところがある」との感想を述べた。

　意識調査は2月14日から同28日にかけて最高検察庁が実施、対象となった全国の現役検察官1444人のうち1306人（90.4%）が回答した（ウェブを通じて無記名回答）。設定された全62問について「大変良く当てはまる」「まあまあ当てはまる」「どちらともいえない」「あまり当てはまらない」及び「全く当てはまらない」の5つの選択肢から回答を選ぶ、アンケート形式。職場環境や就業意識などについて直截的に尋ねるものが多く、設問によっては無記名ならではの赤裸々な回答が寄せられることになった。

　「実際の供述とは異なる特定の方向での供述調書の作成を指示されたことがある」に「当てはまる」と答えた検事が全体の26.1％に上ったほか、「任意性、特信性に問題が生じかねない取調べであると感じる事例を周囲で見かけたり、聞いたりすることがある」には27.7％が、「パワーハラスメントやセクシャルハラスメントと感じる行為を、目撃したり聞いたり体験したりしたことがある」には44.4％が、「（取り調べなど）検察官に共通して求められる基本的能力が、一部の検察官において不足しているのではないかと不安になることがある」には58.7％が「当てはまる」と答えている。

　調査は大阪地検特捜部の証拠改竄事件などを受けて行なわれたもので、10日に開かれた検察の在り方検討会議の第12回会合で報告された。14日の札幌地検定例会見で本誌が調査結果について問うと、米村次席検事は「（回答がまとめられたことは）報道などで承知している程度で、とくに報告は受けていない」と回答、報道された限りでどういう感想を持つか尋ねると、次のように答えた（大意）。

　「（本誌が例示した）『実際の供述とは異なる調書の作成を指示された』という設問について言えば、たとえば被疑者が客観的証拠と矛盾する供述をしている時など、真相解明のため『事実に即した供述をして貰うよう努力せよ』と上司が指示することはあり得る。こういうケースと大阪地検での証拠改竄事件とは性質が違う。私自身もアンケート回答者の一人だが、正直な感想としては、何を前提とし、どういう状況を想定しての設問なのか、微妙なところがあると感じた」

　同日はほかに、北海道司法記者クラブ加盟社（北海道新聞）から「震災の影響について」との問いがあり、米村次席は「現在のところ支障はない」と、本誌からの「定例会見の録音・撮影について」の質問には、「（録音・撮影禁止の）考えはとくに変わっていない」と答えた。　　（ん）