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2010年12月01日

路上支援『ビッグイシュー』地下販売スタート

路上支援『ビッグイシュー』地下販売スタート
地下ブースの嚆矢・札幌の試みも4年目に(1日午前8時18分、地下鉄大通駅コンコース)

 1日朝、札幌市中央区の地下鉄大通駅コンコースに雑誌『ビッグイシュー』の販売ブースが設けられ、通勤時間帯の地下街に販売員らの売り声が響いた。同誌の地下販売は2007年に試行開始し、今冬で4シーズン目。今年10月には札幌のケースを参考に大阪市でも地下販売拠点が設けられ、市民の認知を得ているという。

 『ビッグイシュー』は、1991年に英国で創刊したホームレス支援雑誌。書店などでは入手できず、ホームレスが路上販売する形でのみ流通している。日本では2003年に販売が始まり、07年に北海道に上陸した。定価300円のうち160円が販売者の利益になるシステムで、販売員は売上を貯めながらアパート探しをするなどで路上を脱し、自立生活を目指す。日本ではこれまでに130人以上が社会復帰を果たした。

 現在、札幌では5人が中央区の路上などで雑誌を売っている。地下販売初日の1日には、うち4人がブース入りした。午前7時半からのトップバッター村田敏文さん(50)は、販売歴2年8カ月。「天候や道路状況に左右されずに販売できるのはありがたい」と笑顔を見せ、「地上の常連さんはもちろん、地下でしか出会えない人たちが大勢来てくれる。バックナンバーも陳列できるので、お客さんにとっても“買い時”です」と、PRに余念がない。

路上支援『ビッグイシュー』地下販売スタート


 07年12月からの地下販売は、札幌独自の試みだった。雪国ならではのはからいには発祥地英国などからも注目が集まり、今年10月1日には札幌方式に倣って大阪市交通局西梅田駅構内での販売を許可、閉店した駅売店(約3㎡)を“居抜き”の形でビッグイシューに利用して貰う社会貢献事業に乗り出した。日本法人代表の佐野章二さん(68)によると、バックナンバー目当てに訪れる新たな利用客などが増えているという。「4人のローテーションで朝8時から夜8時まで売ってます。今のところ地上とほとんど変わらないペースで売れてますね」と、佐野さん。同市交通局は、03年からの黒字転換により本年度末には累積赤字を解消できる見込みにあることなどから、来年9月末までを試行期間に設定してビッグイシュー店舗の家賃を無料とした。

 大阪が地下店舗の通年設置を実現したのに対し、4年目の札幌は今回も冬期間のみの展開となる。地元のビッグイシューさっぽろ事務局では「せめて11月ごろから稼動できないか」(平田なぎさ代表)と、折に触れて市に要望を寄せているが、現時点で検討の余地はなさそうだ。上田文雄市長は、9月10日の定例会見で本誌の質問に対し、「通年ということになると、『ほかの雑誌はどうなのか』という話にもなる」と答えている

路上支援『ビッグイシュー』地下販売スタート


 販売初日、第1号の利用客となった市内の公務員男性(54)は8時15分ごろブースを訪れ、同日発売の最新号を1冊買い求めた。「(地下販売開始を)知っていたので、出勤前に寄らせて貰った」と、買ったばかりの1冊を手に職場へと向かっていった。8時50分ごろに偶然通りかかってバックナンバーを買った西区の会社員・加藤一成さん(61)は、英国での創刊時からビッグイシューに注目していたという。これまでも頻繁に購入しており、「事業の意義だけでなく、雑誌の記事そのものがいつも充実していて、たいへん関心がある」と評価する。

 地下販売は午前7時半から午後8時までで、土・日・祝日や大晦日も稼働するが、2011年元日の予定はまだ決まっていない。最終日は同年3月31日。問い合わせは、ビッグイシューさっぽろ(080・4040・1914)へ。  (ん)

路上支援『ビッグイシュー』地下販売スタート


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Posted by 北方ジャーナル at 19:08│Comments(0)ニュース
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