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2010年04月19日

全国で勢力を拡大する「在特会」って何者?

全国で勢力を拡大する「在特会」って何者?

本誌では民主党政権が推し進めている「外国人参政権」について、主に法律的な視点からその是非を論じている。この問題は全国でも注目を集めてきており、去る17日に東京・日本武道館で開催された反対集会では1万人を超える国民を集め、国民新党・亀井静香代表、自民党・大島理森幹事長、みんなの党・渡辺喜美代表、たちあがれ日本・平沼赳夫代表、そして民主党からも松原仁議員らが決意表明し、この法案の阻止を訴えたという。

この問題は大手マスコミがタブー視する「在日問題」のひとつだが、これらを語る時に無視できない保守系市民団体が「在日特権を許さない市民の会」(在特会)だ。在日韓国・朝鮮人に与えられていると言われる「在日特権」を撤廃させることを主目的に設立され、その後3年間で全国25支部・会員数約8,600人を擁するまでになった。北海道支部も400人を超え、週末を中心に街宣(街頭宣伝)活動やデモ行進などを行なっている。また、民団(在日本大韓民国民団)や総連(在日本朝鮮人総聯合会)へ出向いての直接抗議行動も少なくない。

彼らはどのような団体なのだろうか。北海道支部が行なった札幌市内中心部でのデモ行進を取材した。

全国で勢力を拡大する「在特会」って何者?4月18日午前11時。デモとしては集まりが悪かったようで、参加は25人ほど。意外なことに若い女性の姿も目立つ。今回は大通8丁目を起点として中心部を抜け、大通6丁目に戻るというコースだ。北海道新聞も取材に来ていた。

彼らは自らの活動を動画撮影し、YouTubeニコニコ動画を「自前の放送局」として発信する手法で賛同者を増やしてきた。特にデモは、ネット上で「生放送」するのが基本のようだ。

先導する街宣車のマイクからは、大音量のシュプレヒコールが鳴り響く。

「日本が嫌いな反日左翼は日本から出て行け!」
「日本解体法案を進める民主党を日本から叩き出せ!」
「外国人参政権、断固反対!」
「高等学校無償化、断固反対!」
「国籍法、断固反対!」
「移民1千万人受け容れ断固反対!」
「“無能”鳩山“ルーピー”由紀夫を石狩湾に叩き込め!」
「日本にたかる反日韓国朝鮮人、シナ人は日本から出て行け!」

非常に過激な言葉が連呼され、民族差別や排外主義と言われるのも承知の上のようだが、「政府が与えている在日特権こそ、日本人への逆差別だ」と憤る。

全国で勢力を拡大する「在特会」って何者?
繁華街では、多くの市民の視線を浴びる (南1西1付近)

しかし、主義主張の内容はともかく、公然と人を誹謗中傷するのを嫌う日本人の琴線に触れるかどうかは疑問で、ネット上には「保守のイメージを下げるだけで、逆効果だ」という批判があるのも事実だ。数多ある在特会の動画には、街宣中に道行く通行人とトラブルになり、つかみ合いや罵り合いになるシーンも多い。

それでも意に介さず、我が道を行く。そんな彼らを駆り立てるものは何なのか。

全国で勢力を拡大する「在特会」って何者?デモ終了後の挨拶で、北海道支部長の藤田正論氏は「私たちは『財界さっぽろ』に“右翼”と認定されました」と語り、場を爆笑で包んだ。発売中の財界さっぽろ5月号に「右翼団体」と書かれた(左写真)ことへの皮肉だ。

「右翼」「左翼」の定義は非常に複雑かつ曖昧なもので、その右翼にしても思想右翼・経済右翼・街宣右翼など多岐にわたる。しかし、路上で日の丸を掲げて保守の理念を説けば、一般市民は画一的に「右翼」(=悪)というレッテルを貼る。自国の国旗を掲げて国民に違和感を持たれる国が「ニッポン」なのだ。

日本の行く末を憂うという社会人が中心となり、デモや街宣は正規の手続きを踏み、警備警察官や取材記者にも感謝の言葉を述べる。しかし、その活動や表現手法をめぐる賛否論と、それでも日々会員を増やしていく在特会の魅力とは何なのか。それが「正義の保守」か「社会の迷惑」かは評価が分かれるところだが、市民団体にありがちな「自己満足」という言葉だけでは片付けられないほどの存在感を持ってきているのも確かだ。

民主党は、今夏の参院選からの「ネット選挙運動解禁」を目指し、法案提出の準備を進めている。しかし、「ネット右翼」という言葉もある通り、左傾勢力を徹底批判するサイト(例:「国民が知らない反日の実態」など)は非常に多い。先進国でのネット選挙は当然の時代ではあるが、そこに国民の目を向けさせることは、民主党を始めとするリベラル政党にとっては諸刃の剣となる可能性が高い。そして、ネットを情報発信の主戦場とする在特会にとっても好都合なものとなるだろう。

世はまさに新党ブームで、「みんなの党」はもちろん、「たちあがれ日本」、そして18日に発足した首長新党「日本創新党」も、全て「保守」を基本理念としている。今やモンスター政党となった民主党にどう立ち向かうのか、今夏の政局は目が離せない。 (や)


在特会「外国人参政権断固反対!」全国リレーデモ (北海道支部・09.9.13)



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Posted by 北方ジャーナル at 13:09│Comments(1)政治経済
この記事へのコメント
はじめまして。
ネットの発達で在日のウソに気づいた若者が参加しているのです。
在日外国人に対する優遇、特権の付与はやめろと怒っているのです。
Posted by 通りすがり at 2010年04月19日 19:14
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