月刊誌「北方ジャーナル」公式ブログ

　バンクーバー五輪も閉幕し、世間には年度末の慌ただしさが戻りつつある。不況のせいか、街行くサラリーマンの表情も心なしか冴えないが、そうした時は明るいニュースが欲しいところ。と前フリで言い訳しつつ遅ればせながら紹介するのは、先週２月25日に「さっぽろばんけいスキー場」で開催された女子モーグル・村田愛里咲選手（19）の祝賀会の話題だ。

　北九州市出身ながらモーグルに魅せられ、高校進学を機にスキーの名門・北海道尚志学園高校に“単身留学”。現在は北翔大学１年生の村田選手は、先のバンクーバー五輪女子モーグルで初出場ながら見事８位入賞を果たして喝采を浴びた。

　彼女が中学時代から、札幌市に拠点を置くフリースタイルスキークラブ「Team BANKEI」の仲間と共に、ばんけいスキー場をホームゲレンデに腕を磨いてきたことは知る人ぞ知る事実。そうした経緯から、五輪での活躍を祝しての「報告・祝賀会」が同スキー場で開催されることになった。

　祝賀会には「Team BANKEI」の仲間や尚志学園高校スキー部の後輩のほか、一般のファンも多数駆け付け、肩の凝らない和やかな雰囲気の中で開催された。

　冒頭に壇上に立った村田選手は、コギャルっぽい見た目とは異なるしっかりとした口調で挨拶。
「皆さんの応援のお陰で本番では緊張することなくベストを尽くし、初出場で８位入賞を果たすことができました。次のソチ五輪では上位３人が座るソファーにずっといられるようにしたい」と笑顔で語り、同時に高校・大学の恩師や仲間、ばんけいスキー場の関係者などに感謝を述べることを忘れなかった。

　来賓として招かれた財団法人北海道スキー連盟の小林俊勝副会長は、「北海道のスキー界、モーグル界に新たな星が誕生した。現在のスキー界は各競技とも実力が拮抗しているが、次のソチ五輪ではぜひメダルを穫っていただきたい」と活躍を祝った。


　さっぽろばんけいスキー場は、昨年からパチンコ業界道内最大手の太陽グループ（東原俊郎社長）の系列企業となっている。当日、所用のため止むなく出席を断念したという東原社長に代わって祝辞を述べた河野敏常務は、「今日は私だけ来られてラッキーでした」と満面の笑み。「縁あって昨年からスキー場に関わっている太陽グループとしては、ここをホームゲレンデに練習している選手たちを仲間として応援してきました。私もテレビを見ながら興奮しましたが、あの度胸は次のメダルに繋がるはず。今後も人を感動させる滑りをしていただきたい」とエールを贈った。

　祝杯の後、スキー仲間やファンたちから熱いねぎらいを受けていた村田選手。サインを求めて殺到するファンたちにも気軽に応じ、この日のためにばんけいスキー場側が用意した特大サイズの「ばんけいモーグルカレー“ARISA”スペシャル」も豪快にパクリ。



　度胸と愛嬌を兼ね備えた19歳。本当の飛躍はこれからだろう。（ひ）