月刊誌「北方ジャーナル」公式ブログ

　昼間、中島公園を通った。ひんやりとした秋らしい気候、公園を埋め尽くす木々も赤や黄色に変わっていた。ついこの間まで夏だったような気がするのだが、いつの間にか、すっかり、秋なのである。
　
　政権交代の夏が終わり、来る人あれば去る人もあった。中にはこの世から去ってしまった政治家もいたりして、本当に人生いろいろだ。巷の景気はいかがなものか、新型インフルエンザの猛威は変わらず、学級閉鎖は広がり、地下鉄や中心街でマスク姿の人々を見ることが多くなった。口を閉ざし顔を隠す人々が、手をアルコール消毒しながら楽しくショッピングなどするはずもないのであり、さらに個人消費は落ちてゆくことだろう。

　何かこう、時代の空気の重苦しさを感じる。以前、テレビで五木寛之が「これから『鬱の時代』が来る」と言っていたが、まさにそういう時代に突入し始めているのではないかという予感がする。
　
　少子高齢化が進めば、確実に人口は減少する。同時に経済規模も確実に縮小する。経済が落ち込めば、人々の心理にも様々な影響を及ぼす。これはどうしようもない現実なのだ。やれオリンピックだダム建設だ、新幹線を通しましょう、などとクラシックな政治家がクラシックな頭脳で花火を打ち上げても、そんなものは何の役にも立たないのである。
　
　人生にも、世の中にも、こういう時代は必ずやってくるのだ。大切なことは、それぞれが優秀なサーファーとして、この山あり谷ありの「波」を賢く乗りこなすことであろう。上がれば落ちる、落ちればまたいつか、必ず浮かぶ日が来ると信じること。それしかない。　（て）