2009年08月31日
町村がマチムラに負けた夜
小選挙区落選を受け事務所に姿を現す(8月30日午後9時45分頃)
夜8時からの開票を前に私は、札幌市厚別区にある自民党の町村信孝元官房長官(北海道5区)の選挙事務所に詰めていた。小泉政権以降、内閣の要職を歴任し、自民最大派閥のボスである町村が小選挙区で負けるようなことになれば、まさに「政権交代選挙」の象徴的な出来事である。どちらに転ぶにしても注目しておいて損はない──。
時刻が8時を回った途端、NHKは鳩山由紀夫民主党代表の当確を打った。まるでスロットの目のように民主党の当確の数が瞬く間に増えていく──。それから先の出来事は説明が不要だろう。民主党の圧勝、そして自民党の歴史的惨敗がその結果だった。民主は単独で300議席を優に超え、政権交代は決定的なものとなった。
町村の対抗馬である小林千代美の小選挙区当確が伝わったのは夜9時半頃。この報を受けて町村が選対事務所に入ってきたのは9時45分だった。一斉にフラッシュが焚かれ、「敗戦の弁」インタビューが始まる。最前列付近に居た私もシャッターを押し続け、町村の言葉をインプットしようと試みた。
「この結果を真摯に受け止めます。有権者の自民党への怒りや憤り、それはそのまま私への怒りや憤りでもあったかと──」
殊勝にコメントした町村だが、8月下旬の大通公園での民主党への口汚いバッシングをこの耳で聞いている身としては、いささか興ざめする内容だったと言わざるを得ない。
だが町村は、接戦だった7区を伊東良孝が制したことで辛くも比例復活することとなった。12区で落選した武部勤も比例で救われた。北海道小選挙区で勝ち抜いた自民候補は7区の伊東良孝だけ。比例で救われたのは武部、町村。中川昭一含め残りは全敗だ。これで北海道では自民と民主は3対15、残りが大地と公明だ。著しい自民の退潮と言ってさしつかえない。
今回の選挙では、いわゆる大物議員の落選が相次いだ。私にとって、もっとも印象深かったのは、公明党の太田昭宏代表の落選だ。比例への名簿搭載を拒んでの勝負だっただけに、党代表者の落選が与えるインパクトは図りしれないものがあろう。
私は9月号の本誌に「いま政治で起きてる事実は小説よりも面白い」と記した。確かにその実感は、この8月30日でひとつのピークに達した。 (く)。
町村の対抗馬である小林千代美の小選挙区当確が伝わったのは夜9時半頃。この報を受けて町村が選対事務所に入ってきたのは9時45分だった。一斉にフラッシュが焚かれ、「敗戦の弁」インタビューが始まる。最前列付近に居た私もシャッターを押し続け、町村の言葉をインプットしようと試みた。
「この結果を真摯に受け止めます。有権者の自民党への怒りや憤り、それはそのまま私への怒りや憤りでもあったかと──」
殊勝にコメントした町村だが、8月下旬の大通公園での民主党への口汚いバッシングをこの耳で聞いている身としては、いささか興ざめする内容だったと言わざるを得ない。
だが町村は、接戦だった7区を伊東良孝が制したことで辛くも比例復活することとなった。12区で落選した武部勤も比例で救われた。北海道小選挙区で勝ち抜いた自民候補は7区の伊東良孝だけ。比例で救われたのは武部、町村。中川昭一含め残りは全敗だ。これで北海道では自民と民主は3対15、残りが大地と公明だ。著しい自民の退潮と言ってさしつかえない。
今回の選挙では、いわゆる大物議員の落選が相次いだ。私にとって、もっとも印象深かったのは、公明党の太田昭宏代表の落選だ。比例への名簿搭載を拒んでの勝負だっただけに、党代表者の落選が与えるインパクトは図りしれないものがあろう。
私は9月号の本誌に「いま政治で起きてる事実は小説よりも面白い」と記した。確かにその実感は、この8月30日でひとつのピークに達した。 (く)。
Posted by 北方ジャーナル at 02:28│Comments(1)
│編集長日記
この記事へのコメント
北海道電力と高橋知事のヤラセシンポジウムを、是非明らかにして下さい。道民のいしを裏切った、北海道、及び高橋知事、旧自公政権、北海道電力のゴマカシは許せない。道民を裏切った関係者を、御誌後からで明らかにして下さい。 道民お心と北海道の大地を裏切る高位な許せない、と言う思いです。
Posted by 山越 万策 at 2011年08月26日 18:41
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