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2009年05月20日

#.1 ジミ・ヘンドリクス『ボールド・アズ・ラヴ』

#.1 ジミ・ヘンドリクス『ボールド・アズ・ラヴ』


本誌の連載コラム『懐かしのRock』も、気が付けばそろそろ60回を迎えます。当コーナーで毎月違うミュージシャンを紹介してきたフリーライターの七闇夢妖(なやみ・むよう)氏。いい加減ネタが尽きてきたんじゃない? そんなふうに思ってしまいますが、編集部の心配をよそに本人は次から次へと懐かしの名盤をこれでもかこれでもかと掘り下げてきます。編集部員(は)としては個人的には60回記念などでそろそろジミ・ヘンドリクスを20頁くらい書いてほしいなあ(この量でも七闇さんにはたぶん足りないでしょう…)と思ってますけど、どうでしょうかねえ??

さて本題。七闇さんの許可も得られたので、これから当ブログでこれまで北方ジャーナルで掲載された『懐かしのRock』を不定期でアップしていきます。一部熱狂的読者および編集部員たちに強く支持されているこの連載『懐かしのRock』をただバックナンバーに眠らせておくのは、余りにももったいないと思いません? いや、思ってください。くれぐれも編集部がブログネタに困って苦し紛れにバックナンバーを使い回したとか思わないように!

では記念すべき連載第1回(北方ジャーナル2004年5月号掲載)をお届けいたします。


「唯一無二の存在感を誇るスーパーギタリスト」

縁あって、このエッセイを受け持つことになった。最初に表明しておくが、筆者が最も愛するミュージシャンは、ジミ・ヘンドリクスである。

本人の趣味・嗜好を最初に明らかにすることは、極めて重要なことだ。かの音楽評論家・渋谷陽一は、レッド・ツェッペリンのファンであることを公言している。それゆえ、あれだけ的外れな“放言”を繰り返しても、「ツェップのファンにはそう聞こえるんだろうなあ」と、良心的な音楽ファンから表立って指弾されないわけで(充分されているか)、なおかつ「あいつが嫌いなら俺の好みに合うかも」と判断基準になりえるのだ。

別に煙幕を張るつもりはないが、ジミヘンをこよなく愛する男の耳で判断した「ミュージシャン評」であることを承知の上で、このエッセイを読んで欲しいと思う。

さて、ジミヘンである。米国生まれで、アニマルズのチャス・チャンドラーに認められて渡英。彼が出演するクラブでのライヴには、ビートルズやストーンズ、クラプトンらが駆けつけたという。

レコードデビュー前のアメリカ凱旋ライヴ、モンタレー・ポップ・フェスティバル(67年6月)でのギターを燃やすパフォーマンスは超有名で、同年9月にファーストアルバム『アー・ユー・エクスペリアンスト』でセンセーショナルなデビューを飾った。

彼のトレードマークはフェンダー・ストラトキャスター。右利き用の弦を張り替え、左利き仕様にして用いているのが常で、背中や股下、頭上で想像力あふれるソロを弾き、さらには歯でも掻き鳴らす。

パフォーマーとしての一面がクローズアップされがちだが、ブルースをベースにジャズやソウルなどを吸収したジミのノイジーなサウンドは、サイケデリックシーンやアートロックに多大な影響を与え、今なお世界中でフォロワーを生み出している。

ジミの最高傑作といえば、68年10月にリリースされたサードアルバム『エレクトリック・レディランド』を挙げるのが一般的だ。しかし、ここではセカンドアルバムの『ボールド・アズ・ラヴ』(67年11月)をあえて推奨する。

ファーストの発売から間もない時期に、わずか16日で制作されたセカンドには、上り坂にあるミュージシャン特有のテンションの高さが感じられる。アルバムとしてのトータル性は薄いが、個々の楽曲の魅力はピカイチ。このアルバムやライヴ盤で彼のオリジナリティを把握した上で、サードを聞くのが王道だろう。







最高のテクニシャンでありながら技術に安住せず、さらなる高みを渇望しながら70年9月に24歳で死した天才。わずか4年足らずの間に彼が残した足跡はあまりにも大きい。目を閉じてサウンドに聴き入ってほしい。“魂が叫ぶ”感覚を得られないなら、「モー娘。」でも聞いてろ!



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