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2009年05月12日

どうなる?「ホームレスへの給付金」

どうなる?「ホームレスへの給付金」
市に「有効な支援を」と訴える労福会の木下代表(左から2人目)ら=5月11日午
後、札幌市市民まちづくり局長室


 5月11日、札幌市内などでホームレス支援を手がける北海道の労働と福祉を考える会(労福会、同北区)が同市市民まちづくり局を訪ね、今月下旬から支給が始まる定額給付金を市内のホームレスなどにも広く支給するよう申し入れた。

 同会は定期的な“夜回り”などを通じて路上支援を続けており、年明け以降ホームレスから「あのお金は受け取れるのか」と相談を受ける機会が増えていた。できるだけ多くの人たちに給付金が行き渡るよう、代表の木下武徳さん(34)=北星大准教授=らが市に宛てて「要望書」を作成、11日午後に「定額給付金対策室」を設ける市民まちづくり局の若林秀博局長と面会し、できる限りのはからいを検討してくれるよう訴えた。

 木下さんらは、「まずは当事者への周知を可能な限り試みて貰いたい。協力が必要ならばいつでもお手伝いする」と申し出た上で、『ネットカフェなどを住所とすることを認める』『現金の形で窓口給付する』などの支給法を提案、「ホームレスなど貧困層にとって、1万2000円は生活支援金として小さくない。最もそれを必要としている層に行き渡ってこそ、意義ある取り組みといえるのではないか」と呼びかけた。要望書を受け取った若林局長は「ホームレスの皆さんへの対応は重要な問題と認識している。ご提案は検討に値するが、実施できるかどうかは難しいところもある」と、慎重な対応を見せた。


路上支援の意見交換会でも、給付金の話題が=5月10日夜、
札幌市保健福祉局の会議室


 面会前日の10日夜には同会と市保護指導課との「意見交換会」が開かれているが、給付金問題は同席上でも話題に。労福会やNPOハンド・イン・ハンド(中央区、佐藤至英代表)とともに本年度の支援策について話し合った同課の中村武信課長は、今月29日に市内で開かれるホームレス総合相談会の会場に「定額給付金相談窓口」を設けることを約束、「給付金対策室が事前告知のチラシを用意しているので、配布などにご協力いただきたい」と要望していた。


労福会の独自アンケートでは、当事者の8割が「受け取り
たい」=5月2日夜、札幌市内


 また2日夜には労福会が“拡大夜回り”を実施、給付金に関するアンケート調査を行ない、約30人のホームレスが協力した。集計作業にあたっている同会の長谷川喜哉さん(23)=北大農学院1=は、「『受け取りたいか』という質問に、回答者のざっと8割が『はい』と答えている。『いいえ』の人たちも、『いらない』というより『諦めている』といった感じ」と、ほとんどのホームレスが「可能なら受け取りたい」と考えている現状をあきらかにした。アンケート作成にかかわり、11日の面会にも出席した今加菜実さん(22)=北大教育学研究科=は、「給付金事業そのものは支持しないが、実施するなら最も求められる層に支給しないと意味がない」と訴えつつ、「国の姿勢が曖昧すぎる。結局は自治体まかせで、狭間で悩む市の人たちは大変そう」と、混乱する現場への同情も垣間見せていた。 (ん)



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Posted by 北方ジャーナル at 15:00│Comments(0)ニュース
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