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2009年02月15日

北海道ワイン・嶌村社長の完全“国産”主義

北海道ワイン・嶌村社長の完全“国産”主義
「気骨」の経営者、北海道ワインの嶌村社長(2月13日撮影)

 これまで、それなりに多くの経営者にお目にかかる機会をいただいてきたが、最近あらためて取材する機会を得た北海道ワイン株式会社の嶌村彰禧社長ほど「気骨」という言葉が似合うトップもいない。

 小樽に本社工場、そして浦臼に広大な自社農場を持つ国産ワインメーカーである同社だが、その結社から今日に至るまでの歩みを振り返るとき、数多の苦難を踏み越えながら独自に、そして持続的なビジネスモデルをつくりあげてきたことは、やはり敬服に値する。

 嶌村社長は、昨年(08年)8月に東洋経済新報社から『完全「国産」主義』という著書を上梓したばかりだが、そこにはワインづくりと北海道への思いが、あふれんばかりに詰まっている。農業や地場産業の育成へのビジョン、地域経済や社会へのまなざし、そして食品メーカーとしての絶対的な矜持。嶌村社長をして「理想主義者」と評するヒトもいるだろう。だが「理想」だけでトップは務まらないし、ビジネスの世界も甘くない。

 ワインという飲み物、アルコール飲料がいまだに市民権をさほど得ていない我が国で、ブドウ栽培には向かないとされていた北海道で、輸入原料がまかり通る業界の「慣例」に反し国産(北海道産)ブドウ100%で、食品加工事業を成立させたその手腕は、やはり並ではない。山梨のブドウ農家に生まれ、北海道で紳士服関係のビジネスを興し、そして小粒とはいえ国内的にもキラリと光るワインメーカーを育て上げた経歴も興味深い。

 81歳と一般的には「後期高齢者」の嶌村氏だが、元気でいまも第一線で働いていることにも感心する。そういう人物には各分野それぞれに散見されるが、彼も間違いなく「スーパー後期高齢者」のひとりである。

 今回は、ルポライター滝川康治氏が手がけている本誌連載「農と食」対談編のゲストとして、出演いただいたわけなのだが、のっけから嶌村節が炸裂しておりました。

 オフィスを見ると、社長室がなく、社員たちと同じフロアで机を並べている様子。そこからつながる応接室に「やあどうも、ジャーナルさんもだいぶ変わりましたね」と姿を見せた嶌村社長だったが、自給率の向上が地域活性化と食育の向上につながること。そして食品メーカーの意識改革が“農と食”を変えていくひとつのカギであることを今回の取材で確信させてくれた。

 今回の対談の詳細は、まず09年4月号(3月15日発売)でお届けする予定だ。



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Posted by 北方ジャーナル at 13:51│Comments(0)編集長日記
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