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2009年01月25日

小沢&ムネオ&石川、帯広「ビッグ対談」2000人

小沢&ムネオ&石川、帯広「ビッグ対談」2000人

 1月25日、帯広市にある「ベルクラシック帯広」で民主党・小沢一郎代表と新党大地・鈴木宗男代表、そして次期衆院選で地元道11区から出馬予定の石川知裕衆議(足寄出身・元小沢氏秘書)による「新春ビッグ対談」が行なわれ、会場には2000人が集まった。

 雪原にそびえる巨大な結婚式場のベルクラシック帯広。開始2時間前から続々と観客が集まり、駐車場は満杯。1500席を用意した2階ホールでは間に合わず、テレビカメラを使いメイン会場の模様を第2、第3会場へと生中継して対応した。
 
 以前ある所で「僕は雨男」と石川議員が話していたのを覚えているが、前日まで晴れていた帯広地方の天気は一転し、雪模様となった。場内ではMCの男性が時折、「(小沢氏らを乗せた)飛行機は、順調に飛んでおります」と観客達にアナウンスしていた。
 
小沢&ムネオ&石川、帯広「ビッグ対談」2000人

 小沢、鈴木、そして蓮舫議員らと共に登場した石川議員は、
 
「小泉政権以降、地域の切り捨て、財政の切り捨てが進んできた。ここで政治を変えないと地方が元気にならないし、弱い者に光が当たらない。オバマ政権がアメリカで誕生して『グリーン・ニューディール』という表現を使っている。私も十勝の緑の大地を起こそうと、自分なりのニューディール政策を発表させてもらっているが、小沢代表も党大会で環境と安全・安心の2つのニューディールを発表している」

 と語り、さらに今回のコーディネーターとして蓮舫参議を選んだ理由について、
 
「今日は小沢代表と鈴木代表の間を取り持ってくれる司会者を5人ぐらいお願いしたが、全員お断りをされました。ちょっと二人の間にはとても立てないということで、無理に無理をお願いして蓮舫さんにご参加をいただいた。
 寿司で言えば小沢代表がトロだとしたら、鈴木代表がイクラ、蓮舫さんがウニだとしたら、まあ、私が口直しでガリだと思いますけれども、あとはお三方にお話をいただいてですね、みなさん方にご理解をいただきたいと思います」
 
 とあいさつした。

小沢&ムネオ&石川、帯広「ビッグ対談」2000人

 今回の「ビッグ対談」を取り仕切る蓮舫議員は、
 
「私はこれまで、自分の神経は太い方だと思っていたが、まさかこうして実際に鈴木宗男代表、小沢一郎代表、両代表の隣に座らせていただくと、帰りたい(と思った)。予算委員会の質問より緊張するということを改めて感じているところです。
 私にとっての石川さんは、東京に家がない、週刊誌でパンツ姿をグラビアで紹介されたイメージの代議士ですが、実際におつき合いをさせていただくと、優しくてフットワークのいい、同僚としても尊敬できる仲間です。
 私の母は、実は旭川出身です(会場から「オーッ」の声)。ここでこんなオーッという。すいません、十勝じゃないところが申し訳ないのですが、北海道には特別な思い入れがある。そういう意味で来させていただきました」
 
 と語った。
 
 「対談」と名前はついているが、それぞれが直接質問をぶつけあうというよりは、パネルディスカッションのような形式で個々の持論を発表し合う、という感じだった。

小沢&ムネオ&石川、帯広「ビッグ対談」2000人
美女と野獣(本人コメント)

 「石川代議士を応援するみなさん、私が本物の鈴木宗男です」といつものギャグを飛ばした鈴木代表は、
 
「お聞きしますと、今日こちらに来ている人は、小沢代表の顔を見たい。次には蓮舫さんの顔を見たい。そして、石川代議士の顔はいつも見ているから、まあまあいいか。鈴木宗男なんかは、刺身のツマということで。
 まあ、しかも蓮舫さんの横にいますと、美女と野獣みたいなもので。まあまあ今日は、石川代議士の引き立て役をしていこうかなと思っております。
 みなさん、小泉政権以後、この十勝に何か明るい話が、何かいいことありましたか。十勝は農業のメッカです。あの品目横断になって、なぜ専業農家が、2割も3割も所得が下がるんですか。みなさん、官僚政治なんです今は。役人の書いたドラフト(下書き)に乗って、いま政治が動いている。小泉さんは「官から民へ」と言ったけども、私から見れば「官から官」だ。カンンカラカン、というやつですね。
 そういったことを考える時に、私は昨年の11月7日、民主党小沢代表さんのご理解をいただき、選挙協力の上での合意をいたしました。ひとつは郵政の民営化もありますし、一次産業の振興もあります。そして私が主張している、アイヌ民族の権利の確立、そのことによれば北方領土の返還、サハリンからの天然ガスや油を日本に持ってくる。こういうことについて全面的に小沢代表が協力すると言ってくれました。
 何よりも、生活が第一。地方重視を掲げる小沢代表の考えは、この十勝、北海道に合ってると考えて私は、選挙協力をしたということをぜひともみなさん方にもご理解をいただきたいと思います。
 定額給付金の話で、ニュースになっておりますけども、私は定額給付金で2兆円使うならば、もっと別の使い方があると思ってるんです。2兆円をばらまく前に、後期高齢者医療制度をやめるべきだと思いますがいかがでしょうか。障害者自立支援法も廃止すべきだと思いますがいかがですか。こういった出来ることをすぐやるのがみなさん、血の通った心の通った政治ではないでしょうか。
 偉そうに、人を見下したようなしゃべり方をする麻生総理。私は生活感がないと思っています。給付金は渡します、バラマキを言っておきながら、片っぽの足でまた、ブレーキを踏む。3年後には消費税だ。党内で反対が出たら、またぐらついちゃって、その発言、文言は取り消す。軸足が定まってないのがみなさん、今の政府与党でないでしょうか。
 小沢代表、私の見る限り、ぶれません。この顔見てください。みなさん、この顔がほんものの政治家の顔なんです。
 私の師匠の中川一郎先生はこう言ってました。「ほんとうの政治家っていうのは鈴木な、強面(こわもて)、怖い顔してた方がいいんだ。中川一郎ぐらいがちょうどいいんだ」と言ってましたよ。
 私は最近の小沢代表の顔見てると、ちょっと中川先生に似てきてるなとこう思いますよ。
 どうかみなさん、いま必要なのは本物の政治家です。その本物の政治家は、みなさん方の目線やみなさん方の思いをしっかり受け止める。そのトップリーダーは小沢一郎しかいないということを私は訴えてですね、ご挨拶といたします」
 
 と、まあ、ここで中川先生の思い出を語るのはちょっとあれではないかと思いながらも、鈴木議員はこのように語った。

小沢&ムネオ&石川、帯広「ビッグ対談」2000人

 続いて、小沢代表。他の議員が話している間もじっと目を閉じている様子で体調が心配されたが、どうも閉じたまぶたの端が光っているのが見えた。
 
「今日は、若い石川知裕を政治家として育ててやろうと一生懸命支援していただいているみなさん、私は大変感激をしています。みなさんのご厚意に対しまして、まずもって心から御礼を申し上げます。ありがとうございました」

 挨拶の末尾の声が震えている。小沢氏の秘書として10年修行した石川議員の晴れの日ということで、感極まったのではないだろうか。
 
 小沢代表は続ける。
 
「鈴木先生と、こうして一緒にみなさんの前で話し合いが出来ることも、これまた本当に光栄に思っているところでございます。この時間を本当に有効に、そして有意義なものにしなければならない。
 しかしわたくしは、こう、この世界でも丸39年を過ぎまして、40年目に入ってますけれども、最初っから人様の前でしゃべるのが苦手でございまして。なんともうまい話が出来ないんですけども。
 鈴木先生、蓮舫さんもそうなんですけども、先ほど石川知裕君の挨拶を聞いておりまして、ほんーとにこりゃ、私より遙かに、演説だけはうまくなったなと。
 まあしかし、政治家はそれも大事ですけども、それと同時に、中身を充実しなければなりません。その資質を磨くということは、まずはもちろん、本人自身の努力であります。しかし、それと同時にですね、民主主義国家、民主主義の社会においては、やっぱり政治家を選ぶ、国民の皆さん、主権者のみなさん、その人たちがしっかりと指導し、支援して、初めていい政治家が生まれます。どうかそういう意味で、まだまだ本当に、若い身でありますので、どうか何かにつけて、皆さんからも厳しくご指導賜りまして、本当に皆さんを代表する政治家になれるように、ひとつ今後とも不断のご指導を心から御願いする次第でございます。
 
 何をするにしましても、民主主義はもう一つやっぱり、選挙。選挙に勝たなければどうしようもない。これは当然のことであります。主権は国民にあるという国民主権の民主主義国家ですから、最終的な判断は国民のみなさんが決定する。その決定する機会は何かと言うと、選挙であります。
 最近、マスコミを中心にして、という言い方をするとマスコミから嫌われますから言いませんけども、なんか選挙を軽視するような雰囲気がありまして、でもこれはまったく間違い。選挙こそ民主主義の原点であり、主権者である国民がその権利を行使する唯一の機会ですから、私はそういう意味でね、ぜひとも会場においでの皆さんは、すでにお分かりの方ばかりですけども、この選挙でもって、自分たちが政権を、勢力をつくるんだ。そういう認識をぜひ強く持って、一人でも多くの人に参加をしていただくように、お話をしてもらいたい。そのように考えておる訳でございます。
 まあいずれにいたしましても、この選挙戦、わたくしは今の麻生内閣、鈴木先生の話にもありましたように、もう、あっち向いたりこっち向いたり、ふらふらふらふらまた、ダッチロールって言うんですか何て言うんですか、総理大臣が自分で物事を決められない。そういう状態にありますから、いつ何時、政局の展開があるかも知れません。
 いくら遅くとも、予算が上がれば、それはもう総選挙ということになると思います。これは国民みなさんの、最近の世論調査でも、今すぐにでも解散すべきだ、遅くても予算が上がれば、国民の主権者の民意を問えという考え方が、すでに7割前後の多数を占めております。そういう意味におきまして、わたくしはそれぞれの議員、候補者、特に衆議院の場合は、我々の先輩から常在戦場、総選挙の翌日からまた選挙と、まあこういう風に教わってきたものでありますけれども、本当に選挙が近い、ということはまた、みなさまにもご理解いただきながら、石川知裕にご支持、ご支援をいただきたいと思います。
 まあ、今ね、たまたま国会議員のバッジつけてますけども、これはたまたま偶然にね、議員になることが出来たわけでありまして。本当の国会議員は、この選挙区で、小選挙区で勝たなければ、本物じゃありません。どうかそういう意味で、彼にとっての本当の選挙戦は、これからの長い政治生活の基盤を確保できるか、という、政治生命を賭けた戦いにになるだろうと思っています」

 この日の話題は地元を意識してか、定額給付金と地方の現実、そして農業政策などについて語られた。

 鈴木代表は、
 
「これみなさんね、小泉政権以後、民主主義っていうのは議論に議論を尽くして、そこで得た結論には責任を持つというのが、これ民主主義の手続き、ルールなんですね。次に大事なのが中身なんです。
 しかし小泉、安倍、福田、そして今の麻生。この内閣を見るときに、間違った意味でのトップダウンですね。議論しない。小泉さんの場合は、議論して、もの言ったら「抵抗勢力」。邪魔くさいのいたら、私なんか逮捕されちゃう訳ですからね。(場内爆笑)はい。わかりますね。
 そして、自民党の議員の中には、『偉大なるイエスマン』なんて幹事長もいたんですよ。これって分かりやすく言えば、金正日に仕えるみたいなもんですからね。そんな独裁政治はいけませんよね」
 
 小沢代表が蓮舫参議の質問に答える。
 
蓮舫 小沢代表から見て、なぜ麻生さんはこうした国民の声を真っ直ぐ前を見て皆さん方の声を聞こうとしないのか。どうお考えでしょうか。

小沢 まあ、僕も麻生氏のことを詳しく知らないんだけど。何考えてるのかわからないんですけども、誰に聞いても、何考えてるかわかんないっていう答えであると思います。
 それでこの、定額給付金そのものは皆さんももうご承知の通りの、政治的なものの中で出されたものだと思うんですけども、いずれにしてもですね、さっきも申し上げましたように、すべて予算編成も、各省庁の官僚機構でもって決めたもの、それを寄せ集めたものが「予算」ですから。そしてほとんど各省庁の予算のシェアというものは、ずーっと変わらないんですよ。時代が変わっているのですから、いろんな必要性というものは変わるはずなんです。ということはその時々によって予算の優先順位が変わる。政策の優先順位が変われば予算の配分も変わるに決まってるんですが、全部まず各省の枠がありき、という予算編成でありますから、何か新しい政策やろうとすると、我々に言われるのは「財源どこにあるんだ」。すぐこの話なんですね。
 マスコミも、多くの皆さんもそうだと思うんですけども、役所のその、全く不必要な予算の中身であっても、役所の取り分ちゅうものをぜぇんぶ固定しちゃっておいて、その上で「財源、どうすんだ」いう話になっちゃいますから、それじゃ新しいことは何も出来ないじゃないかという話になってしまうんですが。
 たまたまさっき言ったように、敗戦の中でも行政官僚は生き残っていきました。そしてたまたま、日本は戦後復興と言われる、右肩上がりの経済の発展をしてきましたから、なんでもその、多少まずいことがあっても何でもその、予算もどんどん増える、そしてお金もどんどん入ってくるという中で、ずーっと、悪く言えばごまかしてきたんですねその場その場を。良く言えば、うまくやってきたわけです。ところが今、そういう時代じゃなくなっちゃいましたから。
 ましてや今、もう大変な大恐慌。それこそ百年にいっぺんの危機だ、と言われているような状況ですから、いずれにしても非常に、政治も経済も不安定になってきましたから、今までの役所の、依存した、役所のやり方では、対応できなくなってきてるんですよ。
 ところが基本の方針は、役人は、変えられない。今までやってきたことを踏襲する以外に、彼らは術を絶たれた。当たり前なんです。
役人の基本方針を決めるのは役人ではない。政治家の判断。政治家が基本方針、基本政策を決めて、役人がそれを実行するっちゅうのが、当たり前のことなんですけども、今までずうっと、たまたまよく言えば、まあ戦後うまくいってきましたので、みんな役所に任せっきりの状況が続き、そして政治家もその上にのっかって、お互い持ちつ持たれつの形でもってやってきましたから、時代が変わっちゃって、さあどうしたらいいんだと。今まで通りじゃにっちもさっちもどうにもいかない。どこをどう変えたらいいんだということを、決める人がいない」

 おっと。詳しい続きは2月15日発売、「北方ジャーナル3月号」をお読み下さい。

小沢&ムネオ&石川、帯広「ビッグ対談」2000人
 
 会の最後に、石川議員が支持者らにこうしみじみと語った。
 
「私、小沢先生の秘書を10年間勤めていましたけれども、一度も誉められたことがありませんでした。演説がうまい、と誉められて、大変良かったなと思います」

 道内選出国会議員の中でも、松木謙公衆議と並び「小沢側近」とされる石川議員。次期衆院選に向け、どういった仕掛けを用意しているのかと関心を持っていたが、今回のイベントは話題性といい、インパクトといい、なかなかのヒットを飛ばしたと言えるのではないか。
 
 客席にいた60代後半ぐらいの男性と話をしてみると、「特にどちら支持ということはないが、おもしろそうなので来た」と語っていた。入場料500円で、日頃テレビで見る「政治スター」の実演ショーが見られるのである。この雪の日にわざわざ会場を訪れた人物が、一体どういう投票行動に出るのか。
 
 これは誰に言うわけでもない、単なる独り言だが、おちおち酒など飲んでいられないかも知れない。 (ご)

 
(注)当初、公式参加人数を「1800人」としていましたが、その後主催者側の変更があり「2000人」となりました。





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Posted by 北方ジャーナル at 21:59│Comments(0)政治経済
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