2009年01月20日
試されるメディア、北海道───【1】
財界さっぽろのホームページに掲載された「お知らせ」
一般閲覧者にはどうでもいい、関係者には多少興味がある話題──我が社が身を置く北海道の月刊誌メディア界の動きや出来事。それらの最近を何回かに分けてウォッチしてみたい。
私は、あくまで事実と健全な批判精神を前提としたメディアによるメディア検証が必要だと思っている立場だ。おおよそメディアというものは攻めるのは得意だが、守りには滅法弱い。日頃、さんざん好き勝手を言っておきながら、自らが取材や批判の対象になることにはエラく神経質なところがある。
私自身も現会社を立ち上げ本誌を引き継いだ3年前には、複数のメディアから取材を受け、一部の情報紙に不正確な記事を書かれた経験がある。正直、事件の渦中の人物扱いされるのは気持ちがいいものではない(笑)。だが、そのような行為を我々は生業として常日頃から行なっているのである。そのことをあらためて思い知らされたのは得難い経験だった。そして、さらに感じたのは「書くならせめて取材して書け」ということだ。
これらの思いは、そのまま私にとっての自戒と自重となった。日頃、編集部では「あまり他の(メディアの)ことは軽々に論じず、自分たちの仕事に専念しよう」が合い言葉になっている。今回の「メディア検証」は、それでもなお、伝えるに値するという判断から掲載を考えたものだ(ホントか)。いずれにせよ本誌も含め、自己検証のないところに進歩はない。ただし、基本的には複数の関係者から取材し確認が取れた事実関係に重きを置き、論評は最小限度にとどめておきたい。
まず業界大手として知られる「財界さっぽろ」(株式会社財界さっぽろ・舟本秀男社長)は12月末に自社ホームページの「お知らせ」のなかで、これまで同社で発行していた「ホームドクター」「HO」「ぶらら」などの別媒体の出版権を同社の専務取締役だった大鹿寛氏が設立した「株式会社ぶらんとマガジン社」に譲渡したことをアナウンスした。
大鹿氏といえば、同社のベテラン営業幹部として知られていた人物だが、今回の動きは、同氏が同社で手がけていた事業部門が丸ごと切り離されたことを意味する。だが「~マガジン社」は、いまだに財界さっぽろ社が入居するビルで業務を続けているというから、一見奇妙な眺めだ。
関係者たちは、大鹿元専務が主管していた別媒体事業が長期赤字に陥っていたことも含め、財さつ内部で権力抗争があった事実を指摘している。だが結果として、役員構成の変化と舟本社長が大多数の株式を握ったことで決着がつき、「ある事情のなかで」現在の形で収まったというのが大筋の流れのようだ。
いずれにせよ、財さつ自体がスリム化されたことは間違いなく、人事と経営両面にわたって下された同社の判断として興味深いものがある。同時に雑誌社における別媒体事業の難しさを考えさせられる出来事として私の目には映った。
“道民雑誌”「クォリティ」(株式会社太陽・手小達敬代表取締役)にも話題がある。同誌は12月16日、道新に掲載した09年1月号(新年増大号)の出版広告のなかで、「次号予告」として「北海道空港グループに巣食うITハイエナの目論み 新会社『クロスメディア・ホールディングス』の闇と嗅気」と表記し記事掲載の予定をアナウンスした。その顛末についてだ。
ただし、この件については、次回に譲ろう。
大鹿氏といえば、同社のベテラン営業幹部として知られていた人物だが、今回の動きは、同氏が同社で手がけていた事業部門が丸ごと切り離されたことを意味する。だが「~マガジン社」は、いまだに財界さっぽろ社が入居するビルで業務を続けているというから、一見奇妙な眺めだ。
関係者たちは、大鹿元専務が主管していた別媒体事業が長期赤字に陥っていたことも含め、財さつ内部で権力抗争があった事実を指摘している。だが結果として、役員構成の変化と舟本社長が大多数の株式を握ったことで決着がつき、「ある事情のなかで」現在の形で収まったというのが大筋の流れのようだ。
いずれにせよ、財さつ自体がスリム化されたことは間違いなく、人事と経営両面にわたって下された同社の判断として興味深いものがある。同時に雑誌社における別媒体事業の難しさを考えさせられる出来事として私の目には映った。
“道民雑誌”「クォリティ」(株式会社太陽・手小達敬代表取締役)にも話題がある。同誌は12月16日、道新に掲載した09年1月号(新年増大号)の出版広告のなかで、「次号予告」として「北海道空港グループに巣食うITハイエナの目論み 新会社『クロスメディア・ホールディングス』の闇と嗅気」と表記し記事掲載の予定をアナウンスした。その顛末についてだ。
ただし、この件については、次回に譲ろう。
Posted by 北方ジャーナル at 07:43│Comments(0)
│編集長日記
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