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2008年12月17日

スバル世界ラリー撤退に痛嘆企画:インプ STI試乗

スバル世界ラリー撤退に痛嘆企画:インプ STI試乗
ショールームに掲げられたラリーの写真も今は物悲しさを誘う…

12月16日、全国の、いや世界各国のスバリストたちに衝撃のニュースが伝えられた。

「スバル 世界ラリー選手権(WRC)から撤退」……!!

世界的な景気低迷と自動車販売の不振が撤退の主な理由で富士重工の森郁夫社長は記者会見で「経営環境が急速に悪化し、スバルブランドを守るために苦渋の決断を迫られた」とこみあげる涙を抑えながら語ったという。プレスリリースでは次のようにもコメントしている。

「WRCで活躍する青いインプレッサは、ファンの皆様にとってスバルの象徴であり、この決断は本当につらいものでした」

そうなのだ。スバルファンにとって、あの青「WRブルーマイカ」はスバルの象徴、憧れの色なのだ。その青いクルマがラリーから姿を消す…。スバリスト(クルマといえばスバルだと思っている人)を自称する(は)記者は、もう朝から気分はスバルブルーなのであった。


30代である(は)記者のスバル歴はそれほど大したものではないのだが、まず父親がレガシィの愛好家でかれこれ15年ほど大事に乗っておりその良さは記者も分かっているつもり。そして記者が生まれて初めて買ったクルマが軽のプレオ。8年で10万キロ近く乗って、手放すのが惜しかったが家族が増えたのでフルモデルチェンジ直前のフォレスターを昨年購入した。このフォレスターが「CROSS SPORTS 2.0i ALCANTARA-Style(アルカンターラ スタイル)」というちょいとレア(?)な特別仕様車で、内装が豪華なだけではなく、カラーラインナップの中に件の「WRブルーマイカ」があった。

スバル世界ラリー撤退に痛嘆企画:インプ STI試乗
(は)記者のクルマもスバルブルー

ブルーマイカのフォレスターは過去に期間限定で発売された「STIバージョン」しかない(たぶん)。NAで青いフォレスターは「アルカンターラ」しかないということが、記者が購入を決意した最終的な理由だった。たかが色で、と思うことなかれ。「スバルの青」はスバリストにとってそれだけ特別なものだと記者は言いたいわけで、ラリーへの参戦はそうした感情をファンに抱かせるほど重要なものだったのだ。ブルーマイカはそのクルマにラリー参戦のテクノロジーが息づいているんだという証明のようなものだと記者は勝手に思っている。だから、スバルのラリー撤退はホンダがF1から撤退した話とはまったく次元の違うものといっていいだろう。F1の技術が市販車にどれくらいフィードバックされるのか、反映されるまでの時間がどれくらいかかるのかは一般のユーザーにはなかなか想像できないが、ほぼ市販車と同じシャーシ、しかも公道で競うラリーの場合、その成果を「インプレッサWRX STI」に乗ることで身近に感じることができるのだから。

ラリーで闘い抜いて得られたデータは、テストコースを走っているだけでは絶対に得られないもの。それをフィードバックしたスバルのクルマで現在最高峰といえるものが「インプレッサWRX STI」。本当の最高峰は先般300台限定で発売された20周年記念モデルなのだが、そちらはもう売り切れてしまったということなので、北海道スバル本社・札幌西店に行って、ラリー撤退を記念してインプレッサWRX STIに試乗、その走りを堪能しつつ撤退の悲しみを噛み締めてまいりました。

スバル世界ラリー撤退に痛嘆企画:インプ STI試乗

セールスの皆さんにラリー撤退について聞いてみると一様に、
「そうなんです…」の後の言葉が続かないほどショックを受けている様子。北海道ではちょっと前まで「ラリージャパン」で盛り上がっていたばかりなのだから、無理もない。

今回、試乗したのはラリー撤退への記者の怒りを現すかのような真っ赤なライトニングレッドのインプレッサWRX STI。この「WRX」のWRはもちろんWorld Rally、Xはスバル伝統のスポーツグレード「RX」から取られたものだ。このインプレッサこそ、スバルスピリットを具現化したようなクルマといえる。

スバル世界ラリー撤退に痛嘆企画:インプ STI試乗

スバル世界ラリー撤退に痛嘆企画:インプ STI試乗
見ているだけで攻めの走りを想像できるようなエンジンルーム、黒とシルバーを基調とした無骨なインテリア、まるで武士のようなフロントマスク。生半可な運転ではステアリングを握ることさえ拒否されてしまうかのような厳つい佇まいのインプレッサWRX STIだが、運転席に座ってみると、意外なほどの居心地良さを感じる。

本当のことを言うと記者はこのクルマに乗るのが初めてではない。現行のインプレッサはSTIに試乗したほか、1.5リッターのバージョンも一時期代車として乗っていたことがある。ちょっと懐かしいSTIシートの居心地良さを味わいながら、ギアに手をかける。そうだ、そういえばコイツは6速マニュアルであった。久しぶりのマニュアル(以前乗っていたプレオはマニュアルだった)で、STIのちょっと硬めのクラッチも懐かしかったが、やっぱりクルマはマニュアルがいいと改めて実感させてもらった。当たり前のことだが、ATのように「あ、思ったよりスピード出てた」とヒヤリとすることはまずなくて、自分が予想する範囲内でクルマを進めることができる。その一体感はマニュアルならでは。クルマは単なる移動手段ではなく、走ることを楽しむイタリアで、AT車がまるで売れない理由がここにある。

クルマとの一体感という点では、現行のインプレッサのシャーシは先代とは比べ物にならないほど成熟しているのではないかと記者は感じている。1.5リッターだとちょっと立派すぎるように感じる車体もSTIではしっくりとくる。やはりこの車体は2リッターのために作られたものではないのかと、乗り比べれば感じるはずだ。その一体感は、感覚としては右に曲がるときにも左に曲がるときにも左右の前輪を意識して進む感じ。バンパーの先ではなく、車輪が行く方向をドライバーに伝えてるかのように感じるというのがポイントだ。その感覚はまさに人馬一体。根雪になった道路を走ればよく分かるが、まるでマツダのロードスターで悪路をなんなく、しかもパワフルに走っている感覚なのだ。そういう意味では、忍耐を強いられることが多い北海道の冬道で走りを純粋に楽しめる数少ない一台といえるかもしれない。

また、私がインプレッサWRX STIが最もスゴイと感じるのは、それだけの“戦闘力”がありながら、街の中を営業車のようにダラ~リと走れること。試乗では、札幌市西区西町の結構キツイ登り坂を走ったのだが、時速50キロの低速からギア6速にしたまま速度をストレスなく上げることができた。峠の走り屋のように2速や3速に落として、回転をガンガン上げて加速してもいいのだが、そうしなくてもゆったりスイスイと大人の走りもできてしまう。運転に自信のある人でも、そうでない人にも走ることの楽しみを与えてくれるのがインプレッサWRX STI。そんなクルマを創り上げたラリーからスバルは撤退したのだなと、試乗車を降りたときには思わず涙しそうになったのは、情けないがホントの話。

各メーカーにファンはいれど、「スバリスト」のようにメーカー名に「ist」(携わる者、信奉者)と付けてファンを呼ぶメーカーはスバル以外にない。そういう意味ではサッカーのサポーターのような熱狂的なファンの多いということがスバルという自動車ブランドの性格を良く表している。

「スバルを好きな人は クルマを楽しむ人です」
なんてコマーシャルがあったが、あれほどスバリストの心を現した文句もない。

スバル世界ラリー撤退に痛嘆企画:インプ STI試乗
サンバー生産中止の撤回を求める署名活動が起きるくらいだからスバリストってすごい

そんなスバリストたちは今、実に不安である。公式に時期は明確にされていないが、スバルは往年の名車「サンバー」を含む軽自動車の生産を中止するし、スバリストにとってはよく理解できないダイハツのOEM車を発売するし(面構えはわりと好きだが)、ラリーからは撤退…。

このインプレッサWRX STIがスバルスピリットを現す最後の名車とならぬよう、今後の開発の行方を良い方向で祈るばかりである。

(は)



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