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2008年12月06日

「胡桃」で考える



 ラーメン好きを公言する筆者が、昔ながらの札幌味噌ラーメンで最もウマい店だと思っているのが、昨シーズンも紹介した豊平区月寒東のラーメン専門店「胡桃」(くるみ)だ。

 地元密着型の市場「いこいストアー」の斜向かいにある同店は、かなり分かりにくい場所にある。外観も昭和レトロが感じられて、わざわざタクシーに乗って来店する本州客がいるようには見えないが、地元のお客さんはもちろん、さらには評判を聞きつけて来店したラーメンファンまでも魅了する人気店なのである。

 昼時に近くを通ることがあると、「みそラーメン」(600円)のグレードアップ版である「特製くるみラーメン」(700円)の深~いコクを味わうべく立ち寄るのだが、先日久々に暖簾をくぐると、開店直後の昼前とはいえ珍しく先客がなかった。

「こんなに空いてるのって、珍しいですねぇ」
「それが最近、珍しくないのさ。何でもかんでも値上がりして財布の紐が固くなっているでしょ。常連さんも回数が減ったりとか、家族連れが減ったりとかね。気持ちは分かるんだけど、商売としては辛いよね」
「あ~、分かります。僕も毎日ラーメン食べれないですもん。公園の横にクルマを止めて弁当を食べているサラリーマンが、増えたような気もしますよね」
「前はさ、近くで工事なんかがあると『作業員の人たちが来てくれるなあ』なんて思ってたのよ。でも最近は来てくれないんだよね。コンビニでタバコを買うついでに弁当を買っちゃうみたい」
「景気対策を出せない政府が悪い! ついでにタスポも悪い!」
「いや、そうは言わないんだけどさ(笑)」

 そんな会話をしながらも、口中でとろける絶品チャーシューや特製麺とスープの奏でるハーモニーに感嘆していたのだが、そこでちょっと考えた。不況のあおりで万が一、こんなに旨いラーメン店が潰れるようなことがあれば、先々景気が回復したところで何の楽しみがあるというのか。

 業績悪化で真っ先に削られるのが広告宣伝費だ。雑誌業界もまさしく不況業種のひとつなのだが、こんなときでも、いやこんなときだからこそ、喰わねど高楊枝の精神で「地元遺産」を保護すべく粉骨砕身しなきゃならんのである。

 その意気を買うぞという企業の皆様。北方ジャーナルはただ今、08年を締めくくる出血覚悟の歳末特価で広告を募集しております(ひ)



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 昭和47年(1972年)創刊。生活者の視点と取材を重視する編集方針を創刊以来のポリシーとし、05年11月からは有限会社Re Studio(リ・スタジオ)が発行。道内有名書店などで毎月15日前後に発売。購読の申し込みや問い合わせ、情報提供などはサイドバーにある「編集部へメッセージ」からどうぞ。
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