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2008年10月13日

「亡国か再生か」──分水嶺に立つ日本(その3)

「亡国か再生か」──分水嶺に立つ日本(その3)
自民党は麻生看板のPRにやっき(※ちなみに剥がれているのはヤラセではありません)

「亡国再生」シリーズ(その3)である。14日発売予定の本誌11月号では、総選挙が近い時局に鑑みて、「衆院選のキーマンを直撃!」と題して、民主党幹事長の鳩山由紀夫衆議ら5人(民主2自民2大地1)への緊急インタビューを採録した。

 また、政権交代の可能性も含めて注目されるこの選挙が、我が国にとってどのような意味を持っているのかを、小泉政権以後の内政・外交の流れを踏まえて検証した拙稿「視点──選択の08年」も併せて掲載した。この拙稿を下敷きにしながら何回かに分けて、「分水嶺に至った」我が国の現状を考えてみるシリーズ(?)の3回目。本誌に掲載した記事の一部を公開しながら論評を前後に加えるというスタイルをとっている。

 え、1粒で2度美味しいやり方?。というよりテキストというのは結局読まれてナンボ。「精鋭」記者たちの面白い記事を紙だけにとどめておくのは、時にもったいないではないか(拙稿は別として)。まだ本誌をよく知らない閲覧者諸兄のためにも、今後も、本誌のエッセンスなり抜粋的なものはブログでもお伝えしていきたいと考えている。

 さて(その2)では、小泉政権以降の地方政策について見てみたが、今回は社会保障、医療や福祉政策について考えてみる。フトコロが寂しくなったからといって、自分の生活の贅沢さををそのままにして子どもらへの仕送りを削る親は、まずいない。

 国が地方や病人、高齢者にやっていることは、まさにそれだ──。

 先の拙稿では「地方へのマネー移動を抑制する前に(せめて同時に)、国はなぜ自ら襟を正そうとしないのかというシンプルな疑問。近年の地方政策に対する私の違和感はまずそこにある」とまとめたうえで、次の項を、こう書いた。

 
【国民の犠牲の下で延命する官僚機構】

 このような違和感は社会保障分野、近年の医療・福祉政策に対しても同様に感じ続けてきたことでもあった。

 少子高齢化の流れのなかで医療や福祉関連のニーズは増えることはあっても減ることはありえない。そのなかで近年、国すなわち厚生労働省がとった政策の中心は診療報酬の切り下げであり、療養病床の削減であった。福祉分野でも現実にそぐわない「在宅介護」が掲げられ、介護保険制度の護持や参入事業者の不祥事を名目に介護報酬が切り下げられるに及んだ。

 結果、我が国がかつて経験したことのない医療と福祉の崩壊に直面しつつあることは、もはや説明の必要がないだろう。

 また安倍政権時に発覚した年金記録問題は社会保険庁の体質とあいまって、次から次へと新たなズサンな管理や誤魔化しが発覚し、いまだ全面解決する気配がない。国民の老後と生活を担保する基本中の基本の制度に対する不信の増幅は、そのまま政府への不信へとつながることを政権党は銘記すべきであろう。

 国家財政の立て直しは大きな課題であり、基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字に転換する目標を否定するものはいない。それらの達成のために国民にある程度協力を求めるというのも分かり易い話だ。

 だが、そこにこそ問題のすり替えと官僚たちの陰謀が隠されていたのではなかったか。国家財政を危機的な状況に陥らせたのは間違いなく、かつての大蔵省をはじめとする省庁であり、それらを司る役目を負う政府与党だったはずだ。

 であるなら、まず責任をとる順番というものがあろう。地方や生命を切り捨てる前に、国民が納得できるだけのケジメを自らにつけるほかはない。

 私は小泉元総理が異常なまでに国民的人気を集めていた、その間に官僚・省庁主導で着々と進行していた「地方軽視・生命軽視」の流れをあらためて振り返ると、空恐ろしい想いにかられる時がある。官僚たちは形ばかりの郵政民営化と引き替えにマンマと自らの延命に成功してみせたのではなかったか──。


 次回は、外交について見ていく。「破綻スキーム」を内在しながらサブプライムローンをバンバン売りまくり、イラク戦争を始めた頃のアメリカに文字通り「ベッタリ」だった小泉。金融工学の名の下に、アメリカ発のリスキーな債権が世界中にばらまかれ、「郵政民営化」も含めその引き受けに一役買わせられた小泉。

 銀髪、痩躯でノーネクタイ。オペラやロック好きという大衆性を兼ね備えたトリックスターは、ある意味、たいした仕事をしたのかもしれない。その「たいした仕事」の最大の成果は、亡国へと至らしめる一部国家官僚の暴走の目隠しとして十全に機能したことだろう──。


「亡国か再生か」──分水嶺に立つ日本(その3)
小泉人気にもかかわらず、道民は前回の総選挙で自民を負かせた(写真は05年総選挙で来札した小泉首相・当時)



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Posted by 北方ジャーナル at 16:45│Comments(1)編集長日記
この記事へのコメント
介護サービスは贅沢だから、望むなら、あらかじめ民間保険に入ればいいんですよ。

基本は自助努力と家族の協力という原点に立ち返るべきです。

少なくとも、軽度の介護については対象からはずして節約すべきです。年間2兆円、いずれは4兆円程度の違いが出てくるでしょう。

介護亡国の道を歩むのはなんとしても阻止しないといけません。大きな政府重税路線を突き進む自民党に抗議しましょう!
Posted by flout at 2008年11月17日 13:06
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