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2008年06月30日

“ホームレス手配師”語る


記者の質問に、「まっとうな仕事やってんだ」とN氏

 本誌連載『貧しき亜寒帯』の取材で、路上生活者・野宿者(ホームレス)を建設・土木などの作業現場に送り込む“手配師”に話を聴いた。
 ホームレスたちにその名を最もよく知られるN氏(70)は、少なくとも10年以上にわたって札幌市内で活動している。6月中旬、路上歴7年のIさん(56)からN氏がよく顔を出すという場所を聴いた私は、同28日早朝にそこを訪ねた。
 その前夜、路上から脱して6カ月になるMさん(57)との雑談の中で、MさんがN氏の斡旋で現場に出たことがあるという話を聴いていた。Mさんによると、N氏は札幌市内の3業者と“契約”しており、「一人斡旋するたびに1万ぐらい」の手数料を得ているという。業者に派遣されたホームレスの多くは、「借金抱えて寮を飛び出す」形で、短期間で現場仕事を辞めている。なぜ借金が生まれるのか。まかない付きの寮に住み込んで働き、寮の家賃や作業着の借受料などを負担することになるからだ。家賃は、「三食ついて一日2000円」。「それに軍手だの何だの、細かいお金とられるでしょ。で、たとえば日当6000円だとしても、4日雨降って寮にいたら赤字さ」。給料は「月末〆の翌々月15日払い」だが、「赤字」ならば当然マイナスになる。いわゆる“タコ部屋”を髣髴とさせる逸話だ。
 28日午前6時、札幌市中央区。路上の男性たちに声をかけ、N氏のことを尋ねて回る。3人目で、「もうすぐ来る」との情報に辿り着き、待機。汚いジーパンに雪駄履き、よれたシャツを着て頸の周りに手拭いを巻きつけ、路上生活者に見えなくもない物腰でベンチに腰掛ける。ふだん剥き出しの一眼レフカメラは、20年間使い続けているぼろぼろの鞄にしまった。あわよくば“タコ部屋”潜入――と目論んでいたが、6時半ごろ現われたN氏は私の姿を一瞥するなり背を向けた。あとで訊くと、「充分小ざっぱりしてる」とみられたらしい。
 先の情報をくれた男性が、N氏に私を紹介する。関心を示したらしいN氏は「フリーライターとかルポライターとかいうの、あんた?」と語りかけてきた。メモなし・録音なし・撮影なしのにわかインタビューが、以後約3時間続くことになる。不本意ながら、何度か無断で動画撮影させていただいた。
 結論を言えば、N氏は「斡旋料」の件を否定、「非常勤役員」として業者から定額の月給を受け取り、毎朝「スカウト」に来ている由だった。ひと月の収入は、「役員報酬15万と、あと25万」の、計40万円。派遣したホームレスたちが寮の家賃などを負担することは「当たり前」と談じた。興の乗ずるまま、自身の昔話なども口に乗せることがあった。
 N氏への早朝の“挨拶”は以後も継続し、連載第2回(8月号)ないし第3回(9月号)に盛り込む予定。イントロダクションとして、当日撮影した動画の一部をここに掲載する次第である。 (ん)




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Posted by 北方ジャーナル at 14:43│Comments(0)ニュース
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