2008年05月21日
「美容外科業界」の後進性とは
某美容外科チェーンの「医療事故」を取材中である。詳細はともかく、札幌で男性患者を相手に起きた最近の事件で、本誌は患者本人に数度にわたって接触し、相手側の医療機関にも取材を申し込んでいる。
ちなみに本件のことをブログで記したのは「予告編」などの意味からではなく、これまでの経緯から見えてきた美容外科業界の体質の一端に触れておきたいためだ。
編集部に患者本人から凄惨な内容の情報がもたらされたのが3月はじめ。事実関係の精査を踏まえて、美容外科側に取材を申し込んだのが同月中旬だった。それから2カ月以上──。
個人情報保護をめぐって手続きを要求されるなどやたらと時間がかかり、医療機関側が取材に応じる構えを見せ始めたのが5月下旬のこと。なおかつ現地・札幌での担当ドクター取材はNGで、東京在住の顧問弁護士が本誌の質問に答えるという。
「直接取材」を旨としている本誌にしてみれば、まことにまだるっこしい対応だ。違った見方をすれば、そこには美容外科業界の“ありよう”が透けている印象が強い。時間稼ぎも含めリスクを回避するための予防線と当事者取材への拒否。さすがに「訴えられることに慣れている」業界だけのことはあるという感じだ。
言うまでもないが、医療事故というものは、かならずしも医療機関もしくは担当ドクターだけに、その非を負わせられるものではない。だが、薬害エイズや薬害肝炎事件の例をみるまでもなく、苦しみの渦中に放り投げられ、救済や弁済がままならないケースも少なくないのも事実。明らかに医療機関側に過失や責任があってもである──。
本来、信頼でつながるべき医療の現場が訴訟沙汰の舞台になってしまうことを、私は危惧するひとりだが、患者の無念というものは伝えなければならないテーマだとも痛感する。
本来、まともに暮らせるはずの毎日を突然奪われた患者の悲しみや苦労というものは、健康な人々には、やはりなかなか想像できない。
「病気」扱いにならない美容外科や審美歯科関係の施術は基本的に全額自費。すなわち医療機関側の「言い値」で患者は高い料金を支払っている現実だ。どんな手術にも完璧はありえないし、患者本人の自己責任も含め是非の論議は当然あるだろう。だが、よく見聞きするのは、クレームをつけたら即、手のひらを返すような対応だ。「顧客」に対するアフターフォローや配慮という点で、この業界に「後進性」を感じてしまうのは私だけではあるまい。
かつてマスコミを賑わしたカリスマ美容外科医の医療ミス事件なども含め、美容外科業界のさまざまな暗部は、以前から指摘されるところでもある──。
ちなみに本件のことをブログで記したのは「予告編」などの意味からではなく、これまでの経緯から見えてきた美容外科業界の体質の一端に触れておきたいためだ。
編集部に患者本人から凄惨な内容の情報がもたらされたのが3月はじめ。事実関係の精査を踏まえて、美容外科側に取材を申し込んだのが同月中旬だった。それから2カ月以上──。
個人情報保護をめぐって手続きを要求されるなどやたらと時間がかかり、医療機関側が取材に応じる構えを見せ始めたのが5月下旬のこと。なおかつ現地・札幌での担当ドクター取材はNGで、東京在住の顧問弁護士が本誌の質問に答えるという。
「直接取材」を旨としている本誌にしてみれば、まことにまだるっこしい対応だ。違った見方をすれば、そこには美容外科業界の“ありよう”が透けている印象が強い。時間稼ぎも含めリスクを回避するための予防線と当事者取材への拒否。さすがに「訴えられることに慣れている」業界だけのことはあるという感じだ。
言うまでもないが、医療事故というものは、かならずしも医療機関もしくは担当ドクターだけに、その非を負わせられるものではない。だが、薬害エイズや薬害肝炎事件の例をみるまでもなく、苦しみの渦中に放り投げられ、救済や弁済がままならないケースも少なくないのも事実。明らかに医療機関側に過失や責任があってもである──。
本来、信頼でつながるべき医療の現場が訴訟沙汰の舞台になってしまうことを、私は危惧するひとりだが、患者の無念というものは伝えなければならないテーマだとも痛感する。
本来、まともに暮らせるはずの毎日を突然奪われた患者の悲しみや苦労というものは、健康な人々には、やはりなかなか想像できない。
「病気」扱いにならない美容外科や審美歯科関係の施術は基本的に全額自費。すなわち医療機関側の「言い値」で患者は高い料金を支払っている現実だ。どんな手術にも完璧はありえないし、患者本人の自己責任も含め是非の論議は当然あるだろう。だが、よく見聞きするのは、クレームをつけたら即、手のひらを返すような対応だ。「顧客」に対するアフターフォローや配慮という点で、この業界に「後進性」を感じてしまうのは私だけではあるまい。
かつてマスコミを賑わしたカリスマ美容外科医の医療ミス事件なども含め、美容外科業界のさまざまな暗部は、以前から指摘されるところでもある──。
Posted by 北方ジャーナル at 13:38│Comments(0)
│編集長日記
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