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2008年04月19日

「札幌東徳洲会病院IBDセンター開設」の持つ意味

「札幌東徳洲会病院IBDセンター開設」の持つ意味

 札幌東徳洲会病院(札幌市東区)に、この4月から炎症性腸疾患(IBD)の治療・研究・教育を行なう「IBDセンター」が開設された。国が難病に指定する潰瘍性大腸炎とクローン病を専門に扱うセンターの開設は道内で初めてで、全国的にも稀だ。

 IBDは10代に発症する例が最も多く、下痢や発熱、腹痛、血便などの症状が出る。原因が不明のため完治に至る治療が確立されていないが、現在は症状の緩和や再発率の低下を促すさまざまな治療法があり、症状が治まる「寛解」の状態を維持できるようになってきている。IBDの患者数は、国内に約10万人、道内でも約3000人にのぼるとみられ、2年後には国内患者数は17万人にまで増える見込みだ。IBDを診断できる専門医は少なく、患者が発症した当初(中学・高校生の頃)に「ストレス性胃炎」、「胃潰瘍」と誤診されるケースも多いという。しかし、IBDも他の病気と同様に早期発見・治療であり、都市部や地方を問わず全国どこでも確定的な診断が早く受けられる体制が求められているところだ。その意味で、今回の札幌東徳洲会病院によるIBDセンター開設の意義は大きい。徳洲会ほどの全国ネットワークを持つ医療グループは存在しないからだ。
 同センターは前旭川医大第3内科准教授の蘆田和史氏がセンター長を務める。彼がこれまで旭川医大で培った成果(診断・治療マニュアル)がまずは全国の徳洲会病院に発信され、全国各地で実施されたIBDの診断・治療データが札幌のIBDセンターにフィードバックされる。クローン病の発症率は人口10万人のうち2人程度と低く、大学病院でもなかなか症例を蓄積することは難しい。徳洲会グループであれば、症例を集めるだけではなく、地域差を超えたデータを集積することで一定の真理を見出すことができるかもしれない。
 今後の取り組みに大きな期待が持たれる札幌東徳洲会病院のIBDセンターの取り組みについて語った蘆田センター長のインタビューは北方ジャーナル6月号(5月15日)に掲載予定。患者さんの声もレポートするので、少しでも多くの方にIBDという病気と患者さんへの理解が広がるといいなぁと担当記者は切に願っております。(は)

札幌東徳洲会病院 http://www.higashi-tokushukai.or.jp/



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