2008年02月09日
河野本道 「ペカムペ日誌」
本誌でお馴染みの河野さんが、昨年9月に出版した本書は、「水辺に浮かぶ妖精の研究誌」と謳われているように、「自然」と「アイヌ文化」そして忘れ去られた「ヒシの実」をめぐる研究記録である。
「私が湖水の岸辺近くで、長い茎の先に沢山の小さな浮葉群を伴ったヒシの姿に始めて接したのは、1960年代のことであった。それはアイヌの伝承や遺跡に囲まれた塘路湖であった。」と帯に書かれている。ヒシの実について書かれた書は、本当に少ない。かつてアイヌの人々が凍てついた塘路湖でヒシの実を採取し、食用にしていた記録はある。
しかし、石狩川をはじめとする河川の自然破壊で、その分布は大きく様変わりした。
本書は自宅や各地での観察日記となっているが、その存在があまり知られない要因の一つに開花が1日のみで、可憐な花は咲いたその日に散ってしまう。よほど注意深く観察していなければ、「ヒシの花」を目撃することはできない。
今回は本書に収録できなかった開花の写真をお借りして、読者にお見せしよう。
河野さんは、武田泰淳の書いた小説「森と湖のまつり」に登場する博士が、父の広道氏をモデルにして、映画撮影の際も内田吐夢監督をはじめ、高倉健や香川京子らが自宅を訪ねてきた記憶から、本書を書きはじめているが、還暦を過ぎた60半ばにして学者の探究心は衰えを見せていない。
「ヒシの生息地を確認し、その生育環境や生育状態を観察することを通じて、自然破壊のあり方、度合いがみえてくる。それは自然破壊のメルクマールとなるものである。」
本書は道内の各書店で販売されている。(定価:2300円+税)
「私が湖水の岸辺近くで、長い茎の先に沢山の小さな浮葉群を伴ったヒシの姿に始めて接したのは、1960年代のことであった。それはアイヌの伝承や遺跡に囲まれた塘路湖であった。」と帯に書かれている。ヒシの実について書かれた書は、本当に少ない。かつてアイヌの人々が凍てついた塘路湖でヒシの実を採取し、食用にしていた記録はある。
しかし、石狩川をはじめとする河川の自然破壊で、その分布は大きく様変わりした。
本書は自宅や各地での観察日記となっているが、その存在があまり知られない要因の一つに開花が1日のみで、可憐な花は咲いたその日に散ってしまう。よほど注意深く観察していなければ、「ヒシの花」を目撃することはできない。
今回は本書に収録できなかった開花の写真をお借りして、読者にお見せしよう。
河野さんは、武田泰淳の書いた小説「森と湖のまつり」に登場する博士が、父の広道氏をモデルにして、映画撮影の際も内田吐夢監督をはじめ、高倉健や香川京子らが自宅を訪ねてきた記憶から、本書を書きはじめているが、還暦を過ぎた60半ばにして学者の探究心は衰えを見せていない。
「ヒシの生息地を確認し、その生育環境や生育状態を観察することを通じて、自然破壊のあり方、度合いがみえてくる。それは自然破壊のメルクマールとなるものである。」
本書は道内の各書店で販売されている。(定価:2300円+税)
Posted by 北方ジャーナル at 10:25│Comments(0)
│文化(文芸・アート・音楽)
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