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2008年01月29日

裁かれる田中元社長、囲まれる赤羽元常務

裁かれる田中元社長、囲まれる赤羽元常務
傍聴を終えた赤羽さんがマスコミに囲まれる(1月28日4時頃)

 1月28日、不正競争防止法違反と詐欺の疑いで当事者が逮捕・起訴されていたミートホープ事件の初公判が札幌地裁で開かれ、拘置後、頭を短く刈り込んでいた元社長の田中稔被告(69)が出廷。冒頭陳述で検察側が読み上げた罪状に対して田中被告は「間違いありません」と、はっきりとした声で答えた。

 そしてこの日の傍聴席には、このブログでもお馴染みの同社元常務・赤羽喜六さん(72)の姿があった。本誌で名前と顔をさらしてから、いっそうマスコミから追われることが多くなった赤羽さんだが、この日の心境はいかばかりだったか──。

裁かれる田中元社長、囲まれる赤羽元常務

 わずか50枚あまりの傍聴席に対して約200人が抽選に群がったこの日、マスコミとカメラの放列が地裁を取り囲んだ。日刊紙はこぞって夕刊に間に合わせるべく記者が走り、TVは夕方に特番を組むなどして、きそってこの出来事を報じた。

 公判後に赤羽さんはマスコミに囲まれ、誰がつきだしたかも分からないマイクに向かってインタビューに答えていた。彼は、紙に書いてきた声明文を読み上げ、その後、スクープした朝日の記者に「あなたに託します」と原稿を渡した。

(これは第一報の功績をあげた朝日に対する赤羽さん流の配慮というべき行動だったが、途端に、この朝日の記者は周囲の冷たい視線を浴びたもようだ。受け取った当の本人が慌てて「すぐ配りますから…」などと口走っていたというから、どこか可笑しい)

 赤羽さんは6時台のニュース番組にも生出演。かようなマスコミの派手な扱いはともかく、今回の裁判はミートホープ事件における当事者の刑事的責任を問うものであっても、問題の全体像を明らかにするものではない。

 特に──ここまで不正を野放しにして、影響の広がりを許し続けた行政の責任などは、別次元で問われなければならないだろう。

「やっとった我々が一番悪いが、怠慢をかこっていた行政も相当に悪い」(赤羽さん)のである。

 薬害肝炎や薬害エイズではないが、行政の無策と怠慢という点では、本事件も全くいっしょという印象が強い。チェック機能の喪失と生命軽視という点も酷似している。これはまるで「食害」ではなかったか──。

 ちなみに29日発売の最新号、扶桑社の雑誌「SPA!」に赤羽さんとジャーナリスト・勝谷誠彦さんの対談が6ページにわたって掲載され、同様の主旨の問題点が提起されている。最後に本誌の一連の記事も紹介されているので、手に取ってもらえれば幸いだ。

 いずれにせよ赤羽さんの“告発人生”は、まだこの先にもヤマがありそうな雲行きである。


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