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2008年01月16日

ミートホープ元常務、今度は農水省を追及

ミートホープ元常務、今度は農水省を追及
国の責任をあらためて追及する赤羽元常務(1月11日午後。苫小牧農政事務所で)

 食肉偽装事件を引き起こし詐欺・不正競争防止法違反の罪で逮捕・起訴された田中稔元社長と三男の元専務・恵人氏への刑事訴追が甘ぎる(田中稔社長は一部の案件で起訴猶予・惠人専務は全ての案件で起訴猶予)として、本ブログでもお馴染みの赤羽喜六さん(72・ミートホープ元常務)が札幌検察審査会に不服を申し立てたことが1月12日付の各日刊紙に報じられた。

 実は赤羽さんは1月8日の火曜日に、この件で役所に出向き、手続きの申請に入っていた。ちなみに本誌はこの日、同行取材をし、週末の11日金曜日には苫小牧市で彼の別の動きを追っていた。

 聞けば、再び農水省の出先機関である北海道苫小牧農政事務所(地域第九課)を訪ね、指摘しておいた問題について回答を求めたいという。2月号で既報の通り、ここは、赤羽さんが工場から直接持ちこんだ偽装肉(サンプル)の受け取りを何度も拒否したところ。赤羽さんら内部告発の受け皿のはずだったが、届けられた告発が道との間で宙に浮いてしまったことでも話題になっている。

 この日の午後、同所の2階で行なわれた赤羽さんと農政事務所の係官(第九課地域課長)とのやり取りの場に本誌は同席し、約一時間にわたって一部始終を見ていたが、結論から言えば赤羽さんの「独り陳述」で終わったという印象だ。

 農政事務所側は、さる10月に人事異動が行なわれており、当時の責任者がいないという事情がある。また正式な取材対応は本所と言われる札幌の農政事務所が一元的に行なっているとのことで、全ての項目でノーコメントだった。

 赤羽さんの指摘と、それらの事実検証は次号以降の本誌に任せるとして、ここでは取材のエピソードなどを紹介しておこう。当初事務所側が、同席した本誌の写真撮影とテープ録りに難色を示した件である。

「記録係として同席すると赤羽さんから聞いていた」

 ──メモを取るのはよくて、録音がなぜダメなのか。写真も記録のひとつだ。

「録音についてはなるべく避けるように道警からも話が来ている」

 ──アドバイス的なものなら分かるが、あなた方国は道警の上部機関である。主体的な判断をしてほしい」


 こんなやりとりの末に、写真も録音も結局OKとなった次第。そしていつも感心するのは、責任を宙に浮かせやすくなっている行政のシステムだ。

 その最大の仕組みが人事異動。赤羽さんによれば、昨年の初夏、朝日新聞がスクープを書き、マスコミが大挙して農政事務所に押し寄せてきたとき、当時の地域課長氏は、彼らに「出て行け」と罵声を浴びせたという。だが、その責任者は現場にはもういない。

 事件にかかわった関係者を現場から飛ばす──追及を免れたり曖昧にするには、まさにうってつけの方法だ。

 しかし、問題は誰が悪いかではなく、何が悪かったかということである。そこを真に見ようとしない限り、同様の過ちは再び起きかねない。たらい回しが染み付いた意識では、それはなかなか困難に違いない。私はこういうところに行政の真の危うさを感じてしまう。

 官僚たちによる「赤信号、皆で渡れば恐くない」だけは勘弁してほしい。(く)


■関連記事

ミートホープ元常務が、監督官庁に“斬り込み”
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食品偽装発覚の原点「ミートホープ事件」の内部告発者を実名取材
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「北方ジャーナル」2008年1月号
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「北方ジャーナル」2008年2月号
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