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月刊誌「北方ジャーナル」公式ブログ › 編集長日記 › 報じられない貧困、無視される困窮層

2008年01月15日

報じられない貧困、無視される困窮層

 机を整理していたら2月号の巻頭言を意識して書きかけていたメモが出てきた──。

 日頃、「格差社会が云々」「地方の疲弊云々」と知ったかぶりに論じている我々メディア関係者だが、その実態を肌でわかっているとは全く言えない。

 昨今、「ワーキングプア」をテーマに、真っ正面から日本の貧困問題に切り込んだNHK特集が大きな反響を呼んだことは、記憶に新しい。印象深かったのは、現場に入っていったNHKの記者やディレクターらが驚きをもって事実と直面したことだ。

 多くの場合、とりあえず食うに困らない収入を得、バラエティ番組の賑わしさに身を委ね、繁華街の華やぎを見ている限りでは、「格差」や「貧困」は身近に感じられない。

 だが、一例を言えば、実は我が国では年間56人の餓死者が生まれている。あるいは、年間7000件の仏を扱っている本州方面の某中堅葬儀業者では、そのうち約2000件が無縁仏で、自治体が負担する数万円の「福祉葬」で弔われているという話もある。

 生活保護の窓口になっている福祉事務所の人間に「ヒトを見下すような態度」で扱われ、悲観し自殺まで考えるケースも散見される。不正受給という問題が一方にあるにせよ、このような担当官がいるとすれば、困窮している国民を救う主旨でつくられている法律と制度の意義を全く理解していない、愚かで傲慢な公僕と言うほかない。

 制度の公平さと適切な運営は、留意されねばならないが、申請者に対する人間的な扱いが担保されねばならないのは当然のことだ。こんなことも分からない役人は、とっとと公務員を辞めるべきだろう。

 昨今の風潮かどうかは知らないが、近年の政策や構造的な問題から生まれる貧困層の実態を直視しないまま、その存在を「無能と怠慢の結果」と単純にとらえることに、私は違和感を覚える。そして自己責任という名の下に彼らの扱いに無関心を決め込むことにも、賛成できない。

 ただしそう思うのは、残念ながら私の隣人・同胞愛などからではない。どちらかといえば職業的な意識から来る「他人事ではない」という醒めた認識からである。

 本誌では、以前から道内のホームレス事情を追いかけてきたが、今年は違った角度から地域の貧困問題を扱っていきたい。ナニ、他誌が絶対追っかけてきそうにないテーマだけに独壇場となれるメリットもある。及ばずながら事実と読者の橋渡し役になっていければ──だ。


厳寒の札幌にもホームレスのひとたちは暮らしている




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Posted by 北方ジャーナル at 10:13│Comments(1)編集長日記
この記事へのコメント
Hoppo Journal 様

ワーキングプア・超30,000人?自殺者などにも、とても関心があります。
他人事とは笑えない現実には困ったものです。 よもやも、やぶれかぶれの犯罪が増えても不思議ではない状況がいつまで続くことやら…?
 どの様な予算の都合があっても他の補償制度・○○予算はさておき、最悪でも迅速で緊急・共同生活保護?と並行しながら再生の平等な機会、並の医療は優先して頂きたいものですね。

これで高枕であすの夢!
(実際には首の保護のために低反発枕ふう形状などのほうがgood)
Posted by ☆元気でカイロ (^^) at 2008年01月16日 14:49
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