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2007年11月16日

イジメ問題で間の抜けた調査結果を文科省が発表

イジメ問題で間の抜けた調査結果を文科省が発表 文部科学省が、またマヌケなことをやっている。このたび同省が新たに行なったイジメに関する全国実態調査の結果が発表されたが、その方法と内容が、なんともお粗末極まりないのだ。

 笑える調査結果のひとつが「イジメがあると認識していない学校が45%あった」というもの。ナわけはない。現実との乖離が甚だしいという印象だ。また、都道府県別の集計とされているが、訊けば調査方法が統一されていないという。こんなことでは、そもそも統計として役に立たないではないか(オイオイ)。

 逆な見方をすれば、いかに現場の教職員らがイジメの実態に鈍感で調査に非協力的だったかが、明らかになったという点で貴重と言える。

 ──「嫌な事をされてる」と口に出したいけど、出せないでいるという子どもたちは、いっぱい居ます──。

 こう語るのは、イジメが原因で中学生の子を亡くした某父親だ。

「もう学校を先生たちだけに任せておくべきではありません」

 現役の某中学校教諭は、大胆に地域人脈を取り入れて、現場を変えていくべきと主張する。

 だが、学校現場はなかなか変わらない。多くの場合、現実に鈍感。縦社会のなかで硬直した組織になりがちだからだ。

 「ハブり」というイジメは、相手がいないかのように振る舞うことだそうだ。これをもし集団でやられたらかなりのストレスだろう。こんな人間関係を自分の職場に置き換えて想像してみると、本当に嫌になる。

  ケータイに「キモイ。死ね」などと否定的な内容のメールが延々と届くなどは、よくあるパターン。これなども、受け取る側の嫌な思いもさることながら、無意識のうちに第三者に自分のストレスをぶつけている子供の心の寒々しさも何とも淋しい。


 以前の本誌に「まず大人が自殺しない世の中を」と書いたことがあるが、ここでも「まず大人がイジメをしない世の中を」ということに尽きる気がする。お互いにぶつかりあったり、傷つけ合ったりしながら成長するのが人の世だが、イジメというのは「ぶつかること」を避けた側面攻撃のようなもの。存在と向き合わない弱さが、そこに潜んでいる──と私は感じる。


 若い世代のイジメ問題を大人の説教で「撲滅」することはできない。子供たちを破壊や復讐に駆り立てているモノに、目を向けるほかはない。

 愛情の不足だ。


※写真はイメージです。本文とは関係ありません。




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Posted by 北方ジャーナル at 08:53│Comments(0)編集長日記
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