さぽろぐ

  新聞・ニュース  |  札幌市東区

ログインヘルプ


 › 月刊誌「北方ジャーナル」公式ブログ › 触法高齢者の支援とは― 「定着センター」が研修会

2011年10月19日

触法高齢者の支援とは― 「定着センター」が研修会

触法高齢者の支援とは― 「定着センター」が研修会
 触法高齢者の支援には民間の取り組みが不可欠(18日午後、札幌市中央区の「かでる27」)

 刑務所を出た高齢者の社会復帰について考える研修会が18日午後、札幌市内で開かれ、矯正行政や福祉業界などの関係者55人が参加した。ゲストスピーカーの民間支援団体スタッフらは、小さな犯罪を繰り返して社会と刑務所を行き来する高齢者の支援について各自の現場経験を交えて話し、参加者らの大きな関心を呼んでいた。

 昨年6月に発足した北海道地域生活定着支援センター(札幌市中央区、野村宏之所長)が、本年度内に3回に亘って開く「スキルアップ研修」の一環として主催。同日が2回目の開催で、8月に開かれた第1回では障碍のある出所者の社会復帰について議論が交わされた。来年1月の最終回では、薬物やお酒などの依存症を抱える受刑者の社会復帰を考える。

 18日の研修では、複数のアパートで出所者を積極的に受け入れているなんもさサポート(札幌市北区)所長の中塚忠康さん、高齢者向けの訪問介護事業などを手がける介護サービス輝(同西区)代表の狩野美香子さん、出所者を含む高齢者の支援を続けるふくろう社会福祉事務所(同東区)代表の駒木晃次さんの3人が民間支援団体の立場から、札幌市が指定する救護施設札幌明啓院(同東区)の生活相談員・鈴木孝太郎さんが公益事業を担う社会福祉法人の立場から、支援のあり方について思うところを語った。定着センター専門委員会の瀬戸雅嗣委員長が進行役を務めた。

 報告者同士のディスカッションでは、おもに「就労支援」の必要性が議論に上った。「触法高齢者には体力もバイタリティもある人が多く、彼らの力を社会に活かさない手はない」(狩野さん)との意見に賛同する声が多く、定着センター相談員からも「刑務所の外は自由だが、何もすることがない。それで地域との繋がりをつくれず、孤独になっている人が多い」との報告があった。就労の機会そのものを提供しているケースとして「独自に運営するコミュニティ食堂や立ち飲み店、リサイクルショップなどで雇用している」(中塚さん)という実例が報告された。

 会場に足を運んだ札幌刑務所分類審議室の佐藤重人さんは「元受刑者の社会復帰は、民間の支援なしには成り立たない。札幌はほかの地域に較べてそうした取り組みが多く、関係者の皆さんの活動には本当に頭が下がる」と、矯正施設と社会が一体となった取り組みの必要性を改めて実感した様子だった。

 北海道地域生活定着支援センターでは、昨年度45人の社会復帰を支援、うち34人(75.6%)が高齢者(65歳以上)だった。本年度は9月末までに31人を支援、うち高齢者は12人(38.7%)となっている。センター相談員の小関あつ子さんは「高齢である上に障碍をもっている人も多く、そのほとんどが障害者手帳を持っていない」と指摘する。

 「犯罪を繰り返す背景はさまざまあるが、累犯の場合は刑事裁判で単純に『悪質』とみなされ、社会復帰の機会が遠のいてしまう」

 自ら進んで塀の中に“戻る”ケースも絶えないといい、多くの当事者に接し続けた立場で「支援とは何なのか、原点に戻って考え直さなくてはならなくなることが多くなった」と、取り組みの重さを噛み締めていた。  (ん)



Posted by 北方ジャーナル at 12:23│Comments(0)
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

QRコード
QRCODE
削除
触法高齢者の支援とは― 「定着センター」が研修会
    コメント(0)