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2011年10月11日
【山梨発】女子大生からの手紙
釧路川カヌー下りです。朝焼けの中、さまざまな動物に出会いました(写真とキャプションは松林さん)
9月22日付け「編集長日記」で書いた「らーめんや天金」で会った女性、北海道を一人旅していた山梨在住の女子大生から本誌宛にメールが届いた。そこには初めて本道を訪れ、自然の美しさや食の豊かさに触れた感動が率直に綴られていた。そこで本人の了解を得て、本ブログ上で公開させてもらうことにした。
彼女は、都留文化大学文学部国文学科1年の松林智美(まつばやし・さとみ)さん。9月10日に山梨を出発し、15日に北海道入り。同月下旬まで道内各地をめぐり自宅に戻ったのは10月3日だったという。すっかり旅と北海道にはまった様子の彼女。学業はともかく「まだまだあちこち行きたい!」と元気いっぱいである。 (く)
【以下、松林さんの紀行文。写真とキャプションも】
9月10日、半袖にハーフパンツという出で立ちで山梨を出発したのですが、各地を転々とし、15日に北海道にフェリーで到着した時は秋の気配を感じさせる風でした。函館港からひたすら歩き、まず函館駅へ。そこから電車で一気に北上し、稚内へ向かいました。
電車で合計7時間強の長旅でしたが、車窓からの風景には驚かされました。悠々と歩く牛や電車を眼で追う馬。一面に広がる空と大地。出身は長野、山梨在住の私にとっては、これ以上ないほどに開放的な気持ちになれる風景でした。
稚内、宗谷岬です。遠くにうっすらとサハリンが見えます
翌16日朝、稚内市内から宗谷岬までバスで向かいます。厚い雲も時間の経過とともに晴れ間が覗くまで回復、ちょうど宗谷岬は快晴。これ以上ないくらいに澄み渡る秋の空でした。遥か彼方にサハリンを望み、海の向こうを思います。死を覚悟した上で出発した間宮林蔵。また、命がけでこの場所を守った人たち。こみあげてくる物がありました。
早朝の濤沸湖です。澄んだ空気と馬に癒されました
電車で移動し、17日には旭川でラーメンを食べました。食べることが大好きな私ですが、あまりにも衝撃的な美味さで、後日再訪してしまいました(笑)。
そこから網走まで移動、ユースホステルに宿泊し、早朝、御主人のオススメという事もあり濤沸湖を散歩。ここでも馬が草を食んで、ゆっくりと時間が過ぎて行きます。思わずシャッターを切りました。朝日を浴びて、馬の身体が光り輝いているようでした。
この日(18日)もまた、電車で移動し釧路湿原を見学し、塘路に宿を取りました。翌日、早朝に釧路川をカヌーで下ったのですが、ここもまた素晴らしい景色でした。川から霧が立ち上り、その中で動物たちがこちらの様子をうかがっています。
キタキツネ、カワセミ、タンチョウ、オジロワシ…。カヌーはいつもと目線の高さが変わりますので、あたかも自分が自然の中に溶け込んでいるかのような気分でした。
もちろん釧路では和商市場に寄り、海鮮丼を頂きました。一つ一つ自分の好きな具を選んで海鮮丼を作れるというこの勝手丼。どのネタも、とても新鮮で臭みがまったくなく、内陸部に住む者としては至福のひと時でした。ついついおかわりして、2杯食べてしまいました。
さまざまな駅で途中下車しながら進んだのですが、北海道は街並みの中に芸術作品が見事にマッチしていました。帯広では、いきなり牡鹿の銅像を見付け、ふと顔を上げると通りの反対側に牝鹿の銅像が居る、なんて事がありました。大変粋な計らいです。
小樽運河です。台風が上陸する前日でした。見事な夕焼け。見入ってしまいました
小樽の運河もまた、素晴らしい風景でした。夕日を反射して温かな光を放つ水面が、今でも目に焼き付いています。
光と言えば、なんと言っても函館の夜景は忘れられません。最終日に訪れたのですが、北海道の地図を思い浮かべながら、自分が立っている場所を思い、この先に広がっている北海道の広大な自然を考えました。
世界に誇る函館の夜景です。海に挟まれた独特の地形が、ロマンチックな雰囲気を醸し出していました
自分の足でこの場所に立てたことを、ひたすら感謝し、たくさんの方々との出会いを大切にしたいと思った、北海道1人旅でした。
都留文化大学文学部国文学科 松林智美
9月10日、半袖にハーフパンツという出で立ちで山梨を出発したのですが、各地を転々とし、15日に北海道にフェリーで到着した時は秋の気配を感じさせる風でした。函館港からひたすら歩き、まず函館駅へ。そこから電車で一気に北上し、稚内へ向かいました。
電車で合計7時間強の長旅でしたが、車窓からの風景には驚かされました。悠々と歩く牛や電車を眼で追う馬。一面に広がる空と大地。出身は長野、山梨在住の私にとっては、これ以上ないほどに開放的な気持ちになれる風景でした。
稚内、宗谷岬です。遠くにうっすらとサハリンが見えます
翌16日朝、稚内市内から宗谷岬までバスで向かいます。厚い雲も時間の経過とともに晴れ間が覗くまで回復、ちょうど宗谷岬は快晴。これ以上ないくらいに澄み渡る秋の空でした。遥か彼方にサハリンを望み、海の向こうを思います。死を覚悟した上で出発した間宮林蔵。また、命がけでこの場所を守った人たち。こみあげてくる物がありました。
早朝の濤沸湖です。澄んだ空気と馬に癒されました
電車で移動し、17日には旭川でラーメンを食べました。食べることが大好きな私ですが、あまりにも衝撃的な美味さで、後日再訪してしまいました(笑)。
そこから網走まで移動、ユースホステルに宿泊し、早朝、御主人のオススメという事もあり濤沸湖を散歩。ここでも馬が草を食んで、ゆっくりと時間が過ぎて行きます。思わずシャッターを切りました。朝日を浴びて、馬の身体が光り輝いているようでした。
この日(18日)もまた、電車で移動し釧路湿原を見学し、塘路に宿を取りました。翌日、早朝に釧路川をカヌーで下ったのですが、ここもまた素晴らしい景色でした。川から霧が立ち上り、その中で動物たちがこちらの様子をうかがっています。
キタキツネ、カワセミ、タンチョウ、オジロワシ…。カヌーはいつもと目線の高さが変わりますので、あたかも自分が自然の中に溶け込んでいるかのような気分でした。
もちろん釧路では和商市場に寄り、海鮮丼を頂きました。一つ一つ自分の好きな具を選んで海鮮丼を作れるというこの勝手丼。どのネタも、とても新鮮で臭みがまったくなく、内陸部に住む者としては至福のひと時でした。ついついおかわりして、2杯食べてしまいました。
さまざまな駅で途中下車しながら進んだのですが、北海道は街並みの中に芸術作品が見事にマッチしていました。帯広では、いきなり牡鹿の銅像を見付け、ふと顔を上げると通りの反対側に牝鹿の銅像が居る、なんて事がありました。大変粋な計らいです。
小樽運河です。台風が上陸する前日でした。見事な夕焼け。見入ってしまいました
小樽の運河もまた、素晴らしい風景でした。夕日を反射して温かな光を放つ水面が、今でも目に焼き付いています。
光と言えば、なんと言っても函館の夜景は忘れられません。最終日に訪れたのですが、北海道の地図を思い浮かべながら、自分が立っている場所を思い、この先に広がっている北海道の広大な自然を考えました。
世界に誇る函館の夜景です。海に挟まれた独特の地形が、ロマンチックな雰囲気を醸し出していました
自分の足でこの場所に立てたことを、ひたすら感謝し、たくさんの方々との出会いを大切にしたいと思った、北海道1人旅でした。
都留文化大学文学部国文学科 松林智美
タグ :北海道一人旅
Posted by 北方ジャーナル at 23:59│Comments(2)
この記事へのコメント
「らーめんの天金」でなく「らーめんや天金」です。
Posted by 気になったので at 2011年10月12日 07:30
「気になったので」様
誤字のご指摘ありがとうございました。修正しておきましたので、よろしくお願いいたします。今後とも本公式ブログをご愛読ください。
編集長 工藤年泰
誤字のご指摘ありがとうございました。修正しておきましたので、よろしくお願いいたします。今後とも本公式ブログをご愛読ください。
編集長 工藤年泰
Posted by 北方ジャーナル at 2011年10月12日 09:08
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