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2009年06月19日

#.4 エマーソン・レイク&パーマー「タルカス」

#.4 エマーソン・レイク&パーマー「タルカス」


いま蘇る、あのミュージシャン!
懐かしのRock
(フリーライター 七闇夢妖)
第4回 Emerson,Lake&Palmer『Tarkus』
(※ 北方ジャーナル2004年8月号掲載記事)


「超絶テクニックがほとばしる快感プログレ」

 71年にグループ名と同名のアルバムでデビューしたエマーソン、レイク&パーマー(EL&P)は、プログレ界の〝旬〟のメンバーが集まって結成されたスーパーグループだ。


 キース・エマーソン(key・syn)の曲芸的なテクニックをグレッグ・レイク(b・vo)とカール・パーマー(ds)がガッチリ支えるという構図のEL&Pといえば、まずムーグ・シンセサイザーの気違いじみた大音響が思い起こされる。だが、全体的なイメージを形作っているのは、面白い事にレイクの知的(単に表現力がないだけという噂もある)なボーカルだ。

 セカンド「タルカス」(71年)は、キースの独走を許したファーストの反省を生かしたのか、レイクのプロデューサーとしての力量がより発揮され、グループとしてのコンセプトが前面に出ている。セールス面ではムソルグスキーをカバーしたライヴ版「展覧会の絵」(72年)に遠く及ばないものの、EL&Pのベストとの呼び声も高い名作だ。






 聴き所はやはり、オープニングの「タルカス組曲」ということになるだろうが、控え目とはいえキースの速弾きテクニックは超絶モノ。約40分間のアルバムを一気に聴かせてしまう緊張感はEL&Pならではだ。ただ、自ら選んでおいて恐縮だが、一曲一曲の楽しさという点では、ファーストや4枚目の「トリロジー」に譲る。筆者が最も愛聴しているのは実は4枚目なのだが、世評に配慮して日和ったために「タルカス」を推したことを自白しておく。





 それはともかく、EL&Pの一連の作品を聞いていると、レイクのコンセプトメイカーとしての才能には改めて敬服させられる。キング・クリムゾンを脱退した後、彼はジミ・ヘンドリクスかキース・エマーソンとグループを組みたいと考えていたようだが、もしジミヘンが不慮の死を遂げていなければ、ロックの歴史はまた新たなものになっていたのではなかろうか。

 ムーグを世界に広めた功績は大きいが、今となっては古くさい音色に感じることも事実。だが、そのコンセプトや演奏力の高さは発表から30年以上が経つ今も全く色褪せていない。クラシックファンにも自信を持ってオススメできる一枚だ。

※ この記事は、北方ジャーナル2004年8月号に掲載されたものです



Posted by 北方ジャーナル at 09:45│Comments(0)
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