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2009年06月11日

酔っぱらう水

酔っぱらう水

 閑話休題──。

 締め切りが終わった。最後の入稿データを印刷会社さんに預けると、いっとき睡眠不足から解放される時間が訪れる。

 夕食と打ち上げを兼ねてスタッフたちと焼肉屋で炭火を囲んでいた。すでに日付が変わっている。ある記者が「しかしこれって味がなんもしねえなあ。これじゃただの“酔っぱらう水”じゃん」とつぶやいた。テーブルに置かれていたのは甲類焼酎のボトル。よく見かける一般的なブランドだ。

 私は笑いながら内心うなずいていた。“ただの酔っぱらう水”か──。

 私の仕事机の横に最近味見している、いくつかのボトルが並んでいる。ジャックダニエル、フォアローゼズ、余市、いいちこフラスコ…。

 それぞれに旨いが、それぞれ“酔っぱらう水”であることには変わりがない。はてしかし、旨いから飲んでいるのか、酔っぱらいたいから飲んでいるのかと自問してみる。恐らく自分というより多くの左党は両方の理由を口にすることだろう。

 自分のことは思いっきり棚に上げていうが、人は酒に溺れることがある。依存性を含めたドラッグとしての負の部分が肉体と心を蝕んでしまうのだ。ここで例をあげるまでもなく、古今東西、いやというほど多くの才能が酒で自滅していった。

(そういえばあの人もこの人も、いやあんな人もそうだったなあ…)

 グラスを傾けながら、そんなことを考えているうちに酔いがしだいに回ってきた。

 自滅しない程度に、今夜も切り上げた方が良さそうだ──。    (く)




Posted by 北方ジャーナル at 10:16│Comments(0)
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