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2009年05月15日

「俺、話せないんで」

「俺、話せないんで」

 今週始めに〆切が明けてから、ある企業に関する取材を進めている。昨年あたりから経営危機説が流れていた企業だが、本日15日付けで社員やパートを解雇するというのだ。不況下の北海道を象徴するような話であり、また相応の雇用の受け皿であったことから、その影響が懸念されるところだ。

 社員・パートを解雇した上で企業規模を大幅に縮小し、家族経営に近い形を模索しているとの説もあるが、果たしてそんなスキームが可能なのか。取材の中でパートさんからの証言は得られたが、こういう問題を追うには経営陣からも話を聞くのが鉄則。以下は13日の朝、同社の代表番号に電話して、広報の担当者と交わした会話の要旨である。

 ──事実でなければ大変失礼なのですが、15日付けで社員・パートが全員解雇されるとの情報がありますが。
「それは全然、僕の担当じゃないですね。そういうことを僕個人じゃ話せないので」
 ──どなたに伺えばいいのでしょうか。社長でなければ答えていただけないでしょうか。
「そんなの分かんないっスよ」
 ──社長は今日、どちらにいらっしゃるんでしょう。連絡を取ることは可能ですか。
「そんなの知らないっスよ。だいたい、そんなことアンタらに話す義務あんの。それが分かんないんだけど。電話切りたいんだけど」
 ──社長と連絡が取れないとすると、どなたか対応して下さる方はいらっしゃいませんか。取材拒否なら拒否で結構ですし、対応して下さるなら話を伺いたいのですが。
「それも分かんないっスから。それ俺、分かんないって言ってんスよ。そういう複雑な問題に関して俺、話す気ないんスよ」

 文字にすると担当者氏の物言いはひどく乱暴だが、電話をかけた当初の対応は極めて紳士的であった。噂が事実であれば、自らの身の処し方も考えなければならないだろう。心が千々に乱れているときの取材申し込みは、よほど気に障ったに違いない。

 この13日、ちょうど印刷会社から本日発売の6月号が刷り上がってきたので、スクーターで手稲や石狩、銭函方面を回った。出発時は快晴だったが、手稲から銭函に向かう途中で突然の土砂降り。急な雨宿りが必要なときに、郊外型スーパーは便利である。(ひ)




Posted by 北方ジャーナル at 09:55│Comments(2)
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