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2009年04月24日

中標津「伝説のチーズ」

中標津「伝説のチーズ」

 先日、オホーツクに出掛けた際、本誌でルポライターの滝川康治氏が連載している「“農と食” 北の大地から」の対談編収録にカメラマン&編集者として参加するため、中標津町の「三友牧場」に伺った。その成果は、5月15日発売の北方ジャーナル6月号でご覧いただくとして、今回は三友牧場チーズ工房で購入したお土産の話である。

中標津「伝説のチーズ」 同僚からリクエストされていたものの、果たして何を買ったら良いか分からなかったので、同僚には取り敢えず「山のチーズ ブラウンラベル」を、チーズ好きの家族が待つ自宅と実家、出張中にお世話になった娘の友人一家には「カチョカバロ」と「プレーンヨーグルト」をチョイスした。

 チーズ好きを自称しながら、瓢箪型をしたカチョカバロなるメキシコ風プロレスのような名前のチーズについて、実を言うと筆者は初見であった。自宅でお土産を披露する際、勿体をつけて「食べ方はネットで調べなさい」と言い添えたのだが、これがやぶ蛇。先月「おはっさい」(powered by 雛鍔)になったばかりの娘に、「カチョカバロって、焼いて食べるんだよ」と教育されたくらいにして、父の威厳も糞もない。「ファッツ・ナバロなら、学生時代から聴き込んでるがなぁ」と声に出さずに嘆くのが関の山なのである。

中標津「伝説のチーズ」 で、カチョカバロだ。カミさんが厚めにスライスしたチーズを薄く敷いたオリーブオイルの上に置くと、すぐさま鼻孔をくすぐる芳香が…。下面がカリッ、上面がトロッとしたところで皿に載せて味見と相成ったが、その濃厚なコクと絶妙な塩加減に「こりゃ、ウメェ」としか言葉が出ない。隣で無言のままカチョカバロを貪っていた娘曰く、「探し求めていた伝説のチーズだぁ…」(冒険ファンタジーの読み過ぎじゃないだろうか)。5分足らずで、約700円分のチーズは胃の腑へと姿を消したのだった。


「カチョカバロってスゲぇ旨いなぁ。何個か買ってくれば良かったな」とブツブツ言っていると、今度はカミさん曰く、「カチョカバロなら大丸や三越でも売ってるけどね。でも、通販で三友牧場から買った方が確実じゃない?」。これを聴いて、ちょっとカチンと来た筆者。そうか、父がアクセクと酒を呑んだりタバコを吸ったり、オネエちゃんと戯れたりしている間に、キミたちはデパートなる物欲の園に隠密裡に通い、父の知らぬ高級チーズを味わったりしていたのだな、しかもそれを内緒にしていたのだな。

 桜桃をひとりで喰う気持ちが分かった、卯月の夜なのである。(ひ)



Posted by 北方ジャーナル at 18:14│Comments(0)
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