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2009年03月24日

関心呼ぶ「ニューホリデー破産」

関心呼ぶ「ニューホリデー破産」

 底なし不況が道内旅行業界をも直撃している──。そんなことをはっきりさせた「ニューホリデー」の自己破産が大きな波紋と関心を呼んでいる。そんな中、この事件についてNPO法人リンカーンフォーラム北海道代表で本誌にもエッセイを連載中の山下浩氏が、内部事情を独自の取材と資料で分析し、興味深い記事を自身のブログで紹介している。建てている途中で倒産された木の城の顧客も大変な目にあったが、旅行を予定していた人たちもたまらない。本ブログでは、山下氏の許可を得て全文を転載するとともに、末尾に氏のブログをリンクさせていただいた。併せて参考にしていただければ幸いだ。

           編集長 工藤年泰

「ニューホリデー消滅」に業界激震

      NPO法人リンカーンフォーラム北海道代表 山下 浩

「ニューホリデー」で知られる道内大手の旅行会社「普門エンタープライズ」(以下、普門EP)が21日、週明けにも札幌地裁に自己破産を申請すると発表した。負債総額は約19億円で、既に申し込みを済ませている約8,000人の旅行が中止になるという。

ニューホリデーを扱う代理店に対しては、20日夜に普門EPより業務停止との簡単なFAXが流れてきた以外に説明はなかったようだ。また、代理店を通して申し込んだ場合と普門EPに直接申し込んだ場合、それに支払方法や時期によって返金額などが異なるため、しばらくは混乱が続くと思われる。

関心呼ぶ「ニューホリデー破産」
普門EPから取扱代理店に送られたFAX

それにしても、「またまた道内企業の倒産」というだけでも悪いニュースなのだが、ともすれば「安かろう悪かろう」に陥りがちな薄利多売のパックツアーが横行する中、常に商品(行程)と添乗員の「品質」を重視する会社だっただけに残念だ。

旅行会社が取扱う商品は、主に【主催旅行】と【手配旅行(受注型企画旅行)】に大別される。前者は旅行会社が企画・販売する一般向けツアーで、新聞広告やチラシによって募集する。ちなみに「ニューホリデー」はこれに当たり、普門EPによる主催旅行のブランド名になる。
後者は社員旅行や修学旅行のように、特定の団体から依頼を受け、予算に合わせて行程や宿などを組み合わせる「オーガナイザー」と呼ばれるもので、利益率も大きくなる。

ニューホリデーは他社ブランドのツアーに比べ、決して安いものではない。しかし過去のデータを基にして机上だけで旅程を作る会社が多い中、実際に担当社員が行程を走り、移動時間はもとより利用施設やホテルの質・食事などを吟味した上で商品化するというこだわりがあった。

また、主催旅行の添乗員はほとんどが派遣会社への「外注」であり、基本的には社員が出ることはない。ニューホリデーも例外ではないのだが、ここでは「専属組」と各派遣会社からの「選抜組」だけが添乗を許されている。そして、利用客からのアンケート評価が低い添乗員は容赦なく切られるため、おのずと能力の高い「精鋭」だけで構成されることになる。

関心呼ぶ「ニューホリデー破産」こうして絶対的な信頼を集めてきたニューホリデーの客層は、圧倒的にリピーター客で占められるという。

また、新聞等には定期的に大型広告を出稿しており、直近では3月16日の北海道新聞に全面広告が掲載された
このわずか5日後の破綻発表という事態に、申込客はもちろんのこと常連客や業界にも大きな衝撃を与えているようだ。また、独占的に座席を安定供給していた全日空(ANA)や、大口の広告を受注していたメディアにとっても大打撃なのではないだろうか。

特に「リーマンショック」以降で急増している感のある不況型倒産だが、あっと驚くニュースが今後もまだ続くのだろうか…。一向に出口は見えないようだ。

【山下代表の公式ブログ/北国の政界は今日も雨】
http://forum.sapolog.com/





Posted by 北方ジャーナル at 01:25│Comments(0)
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