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2009年01月21日

試されるメディア、北海道───【2】

試されるメディア、北海道───【2】
12月16日付け北海道新聞全道版朝刊に掲載された「クォリティ」09年1月号の出版広告

 一般閲覧者にはどうでもいい、関係者には多少興味がある話題──本誌が身を置く北海道の月刊誌メディアの動きや出来事を追う連載の2回目である。

 前回も記したが、あくまで事実と健全な批判精神に基づくことを前提として、私はメディア相互の検証は、やはり欠かせないと思っている。およそメディアというものは攻めるのは得意だが、守るのが苦手だ。日頃さんざん好き勝手を書いておきながら、自らが取材や批判の対象になり他のメディアに登場することには、抵抗が強いものだ。

 だが、本誌も含めてメディアがいい意味で批判を受け入れる度量を持たなければ、そのあり方や報道姿勢、内容が狭隘化する危険が生まれかねない。情報や記事は時に権力にも似た影響力を帯びる場合がある。ゆえに、その内容に責任が問われるのは当然であり、その扱いを間違えば害悪にすらなりえる。そういう意味ではメディア間での相互チェックは欠かせないといえよう。

 前回は「財界さっぽろ」の内部事情について書いた。今回は“道民雑誌”「クォリティ」(株式会社太陽・手小達敬代表取締役)の動きを見てみよう。

 往時は財さつ誌を露骨にライバル視していた老舗月刊誌のクォリティ。同誌は、09年1月号(新年増大号)の出版広告を昨年12月16日付け道新朝刊全道版に掲載したが、その広告内で「次号予告」として「北海道空港グループに巣食うITハイエナの目論み 新会社『クロスメディア・ホールディングス』の闇と嗅気」と書いた。

 同誌が「次号予告」を出版広告に出すこと自体、極めて異例なことだったが、まずはこの件で予告された関係先に問い合わせが殺到した。そして書かれた関係先──株式会社クロスメディア・ホールディングス(札幌市・以下クロスメディアHD)は、突然の出来事の対応に追われることとなった。

 この事態を受けてクロスメディアHDも黙ってはいなかった。「一種の営業妨害としか思えない。一切、取材を受けていないなかで、小社の名誉と信用を著しく毀損する根拠なき誹謗中傷行為だ」として、1週間後の22日に同誌側に厳重抗議し謝罪を求めて内容証明郵便を送ったのだ。

 このようななかで関係者がクォリティの「予告記事」の中身を注目していたわけだったが、1月15日に発売された2月号には該当記事は見当たらず、また「予告」が不履行になった事実についても何の説明もなされていなかった。事の是非はともかく、“予告行為”の真意や内実が問われる出来事と言わねばならない。

「100万部以上と言われるマスコミを使って、恣意的に悪いイメージを垂れ流した」という不名誉な指摘を退けるためにも、同誌には掲載責任と説明責任を果たしておくことを勧めておきたい。

 ちなみに渦中の「クロスメディアHD」は、ニュースサイト「BNN」を運営する株式会社ブレーン・ニュース・ネットワーク(札幌市・楠本幹夫社長)、街頭ビジョンを運営するメガ・コーポレーション(札幌市・鈴木史社長)、システム開発を主業務とするワンズ・ファーム(札幌市・小島恵治社長)の持ち株会社で昨年3月に設立されたもの。北海道空港グループ(本社千歳市)からも一定の出資を受けており、その一員という位置付けだ。

 代表取締役社長はBNNの楠本氏が兼務しており、法人設立後、同社では準備期間を経て昨年夏にオフィスを統合させ、11月28日に設立記念祝賀会を札幌市内で開催したばかりだった。

 クォリティの「予告」は、このタイミングを見計らったかのように出された形だっただけに、いっそう話題になった経緯がある。少なくとも「ITハイエナ」「闇」「臭気」という否定的な表現が、どのような事実に基づいているのか、同誌はクロスメディアHDばかりではなく読者に対しても説明する責任があるだろう。

 ちなみに今回、予告記事が掲載されなかったことについて、「何らかの裏取引があったのではないか」という憶測が一部で囁かれたことがあったが、クロスメディアHDの楠本社長は明確にこれを否定し、依然として同誌とは係争状態にあると説明している。

 同誌が近年、北海道空港グループ批判を展開していることは、関係者の間でよく知られている事実。クロスメディアHDが北海道空港の一員であることを捉えての検証報道であるなら、それなりのやり方と書き方があるはずだ。自ら墓穴を掘るような展開は同誌にとっても利益になるとはいえないだろう。

 蛇足ながら楠本社長によれば、クォリティ側からの取材要請は今に至るまで一度もないとのことだ。

 次回は“新興雑誌”のひとつに数えられる「ウィングSapporo」(株式会社ウイング出版・山澤靖司社長)のことについて触れていきたい。




Posted by 北方ジャーナル at 09:26│Comments(0)
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