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2009年01月15日

「レンガ館」問題の行方

「レンガ館」問題の行方

 本日15日発売の北方ジャーナル2月号では、札幌市西区のJR琴似駅に隣接する「レンガ館」をめぐるトラブルについて、08年11月号の続報を掲載している。この問題は、レンガ館の所有者である超高層マンション「ザ・サッポロタワー琴似」(214戸)の区分所有者で構成される「ザ・タワーシティ団地管理組合」が、同館に本社事務所を置いてコミュニティFMの三角山放送局を運営している「株式会社らむれす」に立ち退きを求めているもの。

 法廷闘争に発展しているトラブルの経緯や詳細については誌面に譲るが、記事中では1月7日時点で、ザ・サッポロタワー琴似を核とするJR琴似駅北口地区再開発事業の施行者である「JR琴似駅北口地区市街地再開発組合」が、独自の収拾策を水面下で推し進めていることに触れている。

「レンガ館」問題の行方 再開発組合は、(1)らむれす本社の登記をレンガ館から移すこと、(2)レンガ館内のホールに置かれた備品を速やかに撤去すること、(3)館内のロフト部分にある備品も撤去して事務所としての使用を停止すること、という3条件の履行などを「らむれす」に突き付けている。これを拒否する場合には「らむれす」をレンガ館の管理受託者とした「協定」の解消を、その締結当事者として辞さない構えなのだが、本誌は再開発組合の内部に詳しい関係者から証言を得て、この収拾策の背後でさらに“裏和解案”が話し合われている可能性について言及した。

 その関係者の証言とは、
「実際に話し合われているのは、らむれす退去に伴う補償額。今は互いに腹を探り合っている状態ですよ。らむれすにしても、これだけ団地管理組合との関係がこじれたなかで、レンガ館に居座り続けられるとは考えていない。できるだけいい条件を引き出して、自主的に移転するという形を採りたいということ」
 というものだが、記事を校了した翌日の8日夕刻、それまで本誌の取材申込に応じなかった再開発組合の豊川理事長から電話があり、この“裏和解案”について明確に否定した。

「レンガ館」問題の行方
再開発組合の事務所が入る宮坂ビル(西区)

 豊川理事長の発言要旨は以下の通りだ。
 ──再開発組合独自で解決に動いており、年初に代理人弁護士同士で話し合いを持つとか。
「話し合いというより、こちらが文書で出した内容を守るのかどうか確認するということ。守れないならば団地側に『協定』継承することはできないので『協定』を解消するしかない。本来あるべき姿に戻るのであれば、我々としては解消や立ち退きを求める理由がない」
 ──団地管理組合は「らむれす全面退去」以外の選択肢はないとしているが。
「住民感情として『らむれす』とはやっていけないという気持ちは理解できるが、我々にできるのはこれが限度。そのことは団地の理事長さんにも伝えてある。団地の言い分を聞いてあげたいが、我々から『らむれす』に言い出すと、立退料をどうするのかという話になりかねない。組合員の財産から費用を捻出するという話にはならない」
 ──水面下で、立ち退きに向けて金銭解決を模索しているとの情報を得ているが。
「それは全くない。私が理事長になった直後に金銭解決に動いたことは事実だが、交渉は決裂して我々と先方の代理人弁護士の信頼関係は崩れ去っている。現在は組合理事会が金銭解決を許さない」
 ──条件交渉は行なわれていないと。
「金銭の話はしていない。これまで我々の提案をことごとく拒否されてきたからこそ、現在の解決策に動いている」
 ──『らむれす』側からも金銭解決の打診はないか。
「我々の代理人弁護士からは聞いていない。先方の弁護士から(らむれす会長の)木原さんを交えて3人で会えないかという打診はあったが、先方の弁護士との信頼関係が崩れているので私はお断りした。『らむれす』側との交渉は現在、全て代理人弁護士に一任している」

 豊川理事長の発言を額面通りに受け取れば、本誌が報じた“裏和解案”は全くのガセネタということになる。しかし、その後の取材を通じた感触としては、やはり何らかの「ウルトラC」が模索されている可能性は高い。

 さらなる続報に向けて、事態を見守る考えだ。(ひ)




Posted by 北方ジャーナル at 09:00│Comments(0)
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