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月刊誌「北方ジャーナル」公式ブログ › 西村昭男が語るアイヌ問題と北海道独立

2008年12月16日

西村昭男が語るアイヌ問題と北海道独立

 本誌長期連載「北海道独立論」の対談シリーズ(08年9月号)にも登場いただき、ホスト役である白井暢明教授(名寄市立大学)と興味深い意見を交わしてもらった社会医療法人社団カレスサッポロ理事長の西村昭男氏が、「日本病院会雑誌 平成20年8月号」(※社団法人日本病院会発行)に「北海道:連邦制による日本改革モデルの創造」という随筆を寄せている。

 西村氏と言えば、07年9月11日の「クーデター」により、医療法人カレスアライアンス理事長職を剥奪されたことが記憶に新しいところだが、そのエネルギーはいささかも衰えていないようだ。全国でどこよりも早くカレスサッポロを社会医療法人へと変容させ、次代に向けた眼差しを保ち続けている。

「医の巨人」だの「カリスマ経営者」といった大仰な言葉に飾られやすい同氏だが、私が取材するなかで興味を寄せているのは、むしろその思想や人柄の方である。余談の部類では、驚かされるのはその健康ぶり。78歳という「後期高齢者」でありながら、一年前の今頃はホノルルマラソンで完走を果たし、夏にはシーカヤックを嗜んでいるというから舌を巻く。一年中、素肌にワイシャツ。律儀にスーツを着こなして、どこへでもひとりで出掛けて行く。この夏には汗だくになって厚労省まで出向いて交渉もこなした。

 胆振と札幌にまたがっていたカレスグループという巨大ロケットから「先端」が切り離され、そこに西村氏が取り残されたかのような印象を持っている関係者は多いが、違った見方をすれば「9・11クーデター」は、西村氏をさらなる実験場に押し出すプロセスだったのかもしれない。ちなみに年明け早々に経営部門が強化される予定もあるという。

 前置きが長くなったが、本ブログ上で、前述の随筆を読者に紹介したいと思う。いずれにしても西村氏の北海道に対する思いが感じられる内容であり、アイヌ問題、そして地方分権に関する同氏の見解という点でも興味深いものとなっている。

 末筆ながら転載について快諾をいただいた社団法人日本病院会に感謝する次第だ。




『北海道:連邦制による日本改革モデルの創造』

(理事・社会医療法人 社団 カレスサッポロ理事長・北海道 西村昭男)
※日本病院会雑誌 平成20年8月号掲載記事

 最近、北海道が国内外でクローズアップされる事柄が多いようだ。「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が6月6日に衆参両院「全会一致」で採択された。7月初旬の北海道洞爺湖サミットを視野に異例の迅速さで国会決議されたものと考える。昨年9月の「先住民族の権利に関する国際連合宣言」との整合を図る政策であるが、北海道人である私どもにとっては、明治以来の政策で既に同化している現状から、いまさらと言う感を否めない。

 そもそも蝦夷地に変わる地名を1869年(明治2年)に開拓使判官松浦武四郎が考案し「北加伊道(北海道)」とした。アイヌ語「カイノー」が発想の源とされる。「カイ」はこの国に生まれた者、「ノー」は尊称。140年前の地名提案に先住民族を尊重した武四郎の思慮に敬服される。

 開道140年の今年は間宮林蔵、高田屋嘉兵衛、松浦武四郎など、北海道開拓の功労者が37名が祀られている「開拓神社」の70年祭が8月15日に執り行われる。明治2年のこの日に「蝦夷地」が「北海道」に改名されたのに因んで、開拓の神々を慰霊する「例祭」が毎年開かれる。ちなみに「開拓神社」は北海道神宮の境内にあるが、1938年(昭和13年)、北海道庁長官石黒英彦により北海道開道70年を記念して設立された。

 骨太方針の1つ“地方分権”を推進するに当たって北海道を先行的モデルに仕立てる方針で、高橋はるみ知事は平成16年度から4年間「道州制北海道モデル事業」を実施したが、未だ具体的な制度設計に至っていない。北海道は重複中央行政の特殊な地域とされ、自主性回復の動きに対しては霞が関などの抵抗も強く、道州制特区モデルへ歩みは遅い。

 このような状況のなかで再び“北海道独立論”が浮上している。戊辰戦争の最終局面1868年(明治元年)12月15日に榎本武揚は蝦夷地共和国(函館政権)を発足させた史実がある。

 北海道は本島に北方領土などを含めた8.35万平方キロメートルに562万人(平成17年)の道民が居住するが、地勢的のみならず生物分布(ブラキストン線)にも、また、本州など道外を「内地」と嘗て呼称していた道民意識、赤裸々に言い換えれば植民地的な風土などから、日本の連邦国家として独立を目指す方向が望ましいとする意向がある。オランダ:1,630万人(05年)4.15万平方キロメートル(九州とほぼ同じ)、デンマーク:540万人(05年)4.31万平方キロメートル(九州の1.1倍)と比較しても遜色ない島国である。

 北海道は5%経済の地域と言われ、失業率も4位と高いが、食料自給率195%、ユニーク人材、“しがらみ”の少ない人間関係、広がる大自然など財も豊富で、しかも地球温暖化の影響によるプラス面など、将来の価値創造に大いに期待される。

 道州制特区推進の議論で「政省令の上書き権の付与」を国に強く求めているが、例え権限を確保しても前途多難である。そこで一足飛びに連邦制という自主独立を視野においた改革の道を選択し、医療分野も含む各領域の古色蒼然たる基本法が刷新されてこそ可能な骨太抜本の改革を実現したいものである。その成果を踏まえて母なる本土においても思い切った変革への転機を捉えることができるのではないか? 北海道は開拓使によって開かれたが、その開拓精神が再び役立ち得ることを開道140年に当たり夢想している。



Posted by 北方ジャーナル at 15:20│Comments(0)
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 昭和47年(1972年)創刊。生活者の視点と取材を重視する編集方針を創刊以来のポリシーとし、05年11月からは有限会社Re Studio(リ・スタジオ)が発行。道内有名書店などで毎月15日前後に発売。購読の申し込みや問い合わせ、情報提供などはサイドバーにある「編集部へメッセージ」からどうぞ。
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