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2008年11月13日

札幌市の産婦人科救急、おおむね良好

札幌市の産婦人科救急、おおむね良好

 産婦人科の救急医療体制について話し合う札幌市産婦人科救急医療対策協議会が11月13日開かれた。開催は今回で10回目で、当日は19時から開始された。市政記者クラブにはテーブル付きの席が4つ用意され、1人が開始時刻から着席。2人が遅刻し、そのうち1人は開始から1時間後の20時に入室してきた。本誌記者は、会場に用意された20席ほどの傍聴席に着席。傍聴席はほとんどが報道関係者で埋まっていた。また、傍聴席前になぜかTVカメラの撮影スペースがあり、視界が悪く、座席間も狭かったため、本誌記者の不快指数は75%くらいだった。

 札幌市では、それまで2次救急の輪番制に協力してきた産婦人科医会が今年9月いっぱいで撤退を決定。これを受け、10月から夜間急病センターに助産師2名体制による相談窓口(tel:011-622-3299)を設けるなど、新たな産婦人科の救急医療体制が施行されている。ここに至った経緯や、浮かび上がった課題については11月15日発売の『北方ジャーナル12月号』で6頁にわたって特集しているのでぜひチェックしてほしい。北方ジャーナルは税込880円。お値段だけ聞くと「どぅっ! 高い!」と思われるかもしれませんが、12月号で掲載した札幌産婦人科救急医療の本文9299文字の記事デス。1文字あたり0.09円と実にお安い。しかも、他にも面白い記事がいっぱいですので、頼むから買ってから読んでください。宣伝はこのへんにしておいて、今回の協議会でどのようなことが話し合われたかというと…。

 協議会では主に施行から1カ月間の結果報告が行なわれた。相談窓口の助産師は、患者や医療機関、救急隊からの電話を受け、軽症者には翌日の受診を促し、医療措置の必要なケースでは2次・3次の病院を紹介している。1カ月の相談件数は181件で、そのうち救急医療機関に受診を手配したのは28件、1日あたり0.9件となった。9月以前の産婦人科への1日あたりの搬送件数は2.2件で、まだ施行から1カ月のデータで安易に判断はできないが、データだけを見ると救急搬送は電話相談により半減したことになる。

 医会が撤退を表明し、市内の2次救急に穴が空くと心配されたが、現在のところ杞憂に終わっている。市の説得により協力を約束した「拠点病院」が毎日、市内の2次救急医療を担当しているほか、拠点病院以外の6つの「協力病院」が月の半分ほどの日数を当番制で救急を担当し、拠点病院とともに救急患者の受け入れのために待機している。月に半分ほどの日数は2つの医療機関が2次救急を受け持っているということだ。拠点病院なる病院が市内のどこの病院かはもちろん記者や関係者は分かっているのだが、この病院名は公表できない。「その病院では夜でも患者を受け入れているんだ」と、心ない市民が救急病院としてではなくコンビニのように便利な“夜間診療所”として利用する可能性があるからだ。だから公表しない。今後どこかで公表されることがあるとすれば、そのメディアが何にも考えていないか、あるいは拠点病院が2次救急から手を引くときかだろう。そういう見方で病院名を気にしておくのも面白いかもしれない。

 また、市では1月からの3カ月間、助産師だけではなく産婦人科医も相談窓口に置き、助産師だけの場合との比較、検証を行なう方針だったが、その相談医師の配置に産婦人科医会は、「電話だけでは医師は到底責任が持てない」と協力しない意向を示した。とりあえず、1カ月の結果検証では「おおむね順調なスタート」ということが確認され、そのほかにもさまざまな事柄が話し合われた。その詳細と、今後の課題については1カ月後になるが次の『北方ジャーナル1月号』で触れる予定だ。

 ところで、協議会は20時30分ころに閉会となったが、協議の最中、記者は質問したくて仕方がなかった。
たとえば「相談が181件あったというが、産婦人科の専用相談窓口が開かれる前の一般窓口時代と比べて産婦人科の相談は増減しているのか?」とか、「以前、夜間急病センターに診察する産婦人科を置くと年間6000万円ほどの経費がかかると市は試算したが、相談業務をこなす医師のコストはどれくらいなのか。そのギャラで相談だけをしようという医師が現実的にいるのか」などなど…。もちろん、そういった質問は時を改めて関係者に聞くのだが、なんかもったいないような気もするのである。傍聴席から質問をとっていたら、収拾がつかないかもしれないが、ちょっとくらい会場から質問を受け付けてもいいのではないだろうか。記者の質問が役に立つかどうかは分からないが、市民の素朴な疑問から協議会の議論が有意義になる局面もあるだろうに、と思うのである。これまで開かれた協議会で、新たな可能性を秘める救急医療体制が組まれようとしていることは実に収穫の大きいことで、意義のあることだと思うが、気になるのはこの協議会がオープンであるだけで、市民は不在の議論ということだ。

 協議会の終盤、各委員の予定が聞かれ、次回の開催は12月10日に決まった。その日、担当記者は予定があって行けそうもない。

(は)




Posted by 北方ジャーナル at 18:08│Comments(0)
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