さぽろぐ

新聞・ニュース  |札幌市東区

ログインヘルプ


 › 月刊誌「北方ジャーナル」公式ブログ › 地域が必要とする医療とは何か

2008年08月26日

地域が必要とする医療とは何か

地域が必要とする医療とは何か
北海道家庭医療学センターの草場鉄周理事長

 医療機関の役割を考えたとき、それは人々に安心を与えることではないのか。究極的にはそういうことにならないかと考える。人々の暮らしは、医療機関が与える安心によって保証されている面が大きい。体調を崩した際に診てもらう医療機関もない地域に誰が住もうと思うのか。子供が怪我をしたときに行く病院がない、子供を産もうにも手だてがない地域に誰が住もうと思うのか。マチの医療が崩壊してしまえば、そのマチは廃れてしまう。

 本誌のシリーズ企画「こわれゆく日本の医療」では、今まさに崩壊の道程にある日本医療について各分野の専門家から話を聞き、医療崩壊の理由は何か、今後の展望は、そして国民は何ができるのかを探っている。

 現在発売中の北方ジャーナル9月号では、地域におけるプライマリケア(初期医療)をテーマに北海道家庭医療学センターの草場鉄周理事長に話を聞いた。

 地域における医療へのニーズと、そこに存在する医療インフラは必ずしも一致していない。今、必要とされているのはトータルな眼差しで患者と地域をケアし、状況に応じて適切な専門医に橋渡しできる存在・“家庭医”ではないだろうか。草場理事長の描くビジョンからは、道内医療の地域間格差を埋める大きなヒントが隠されているのではないか。そんなことを感じたインタビューだった。

 今月の同シリーズでは、これまで地域の医療を支えるために大きな役割を果たしてきた自治体病院に焦点を当てる。

 昨年末に道医療対策協議会(高橋はるみ会長)が「自治体病院等広域化・連携構想」の最終案をまとめ、赤字経営にあえぐ道内自治体病院の再編が現実味を帯びてきている。

 平成17年度の全道の自治体病院事業(84事業、97病院)のうち赤字は61事業で、7割の事業が赤字ということになる。全事業を合計した経常収支は111億2600万円の赤字。不良債務は145億400万円となっている。地方交付税の削減で厳しい財政運営を強いられている自治体がこれまでのように病院会計へ繰り入れることもできなくなった。また、仮に病院の存続を図っても医師の地方離れは止まらない。医師が札幌圏に偏在する傾向はより顕著になっており、すでに札幌圏の医師数は道内全体の医師数の半分を超えてしまった。今までのようにそれぞれの自治体で病院を抱え、経営を維持していくのが難しい時代になってしまったのだ。

 9月15日発売の10月号で掲載される「こわれゆく日本の医療」に登場いただいくのは全国自治体病院協議会・北海道支部長の小熊豊氏(砂川市立病院長)。中空知のセンター病院として機能し、黒字も実現している砂川市立病院の姿と小熊氏の語りから、自治体病院の役割と課題、そして再編の方向性を探ってみた。(は)

地域が必要とする医療とは何か
小熊豊氏(砂川市立病院長)


Posted by 北方ジャーナル at 20:10│Comments(0)
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

QRコード
QRCODE
削除
地域が必要とする医療とは何か
    コメント(0)