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2008年06月11日

連載『貧しき亜寒帯』スタート


時に買い物をする彼らは、消費税を納める立派な“納税者”だが、まともな
行政サービスとは無縁だ=6月7日深夜、札幌市内


 本誌7月号から、地元・北海道のホームレス問題を考える連載『貧しき亜寒帯』をスタートする。

 わが“変集長”から「貧困問題の連載を」と持ちかけられたのは、本年初頭。4月の編集会議で「どういう切り口で」との議論が始まった際、もう私の頭の中には「ホームレス」の名詞しか浮かんでいなかった。収入が覚束ないどころではない、衣食住に事欠くどころではない、家庭と社会とほとんどあらゆる行政サービスとに縁のない暮らし。これ以上の「貧困」がほかにあるだろうか。

 8年前の冬、私は地元の夕刊紙でホームレス問題を取り上げた。以来、思い出したころに札幌市の中心部を歩いては、断続的に路上の実態を観察している。とはいえ、まともに腰を据えてこの問題に取り組むのは数年ぶり。かつての筋肉が衰えていやしまいかとの懸念を抱えつつ、支援団体の学生たちにつきまとって“夜回り”に同行する。駅や地下街、バスターミナルに佇む“彼ら”と触れ合ううち、かつての感覚を思い出してきた。そう、彼らはすぐ隣りにいる。にもかかわらず、ほんの数年、取材をストップするだけで、すぐ隣りの彼らの姿が見えなくなってしまう。況わんや、路上問題を想像したこともない一般市民においてをや。

 しかし、繰り返すが、彼らが佇む路上はわれわれのすぐ隣りに拡がっている。昨日の会社役員が、専門職が、自営業者が、公務員が、今日には着の身着のままで路上に出る。

 連載第1回では、路上支援を手掛ける学生たちや市民組織、法律家の団体などの活動を追い、現役のホームレスの声と併せて報告した。2回目以降は、路上出身者のべ200人以上を自立に繋げた民間下宿の活動など、北海道独自の動きを紹介する予定。続けて、札幌を含めた各自治体の取り組み、またホームレスを狙う自称斡旋業者の実態など、彼らを取り巻く問題をできるだけ掘り下げて紹介していきたい。

 6月初旬の夜回りのさなか、ふと「Nさんはまだやってますか」と問うた私に、路上歴7年の男性(56)は「だいたい朝5時、6時には来てるぞ」と、こともなげに答えた。“手配師”N氏と土木工事請負H興業(札幌市北区)による路上からの搾取は、8年前にも公然と行なわれていたことだ。N氏に炭坑年金の手帳を“管理”されたまま路上で死んだSさんのことも、私は忘れていない。N氏には、また“挨拶”に行かなくてはならなくなった。

“すぐ隣り”からのレポートは、連載終了時期を決めていない。変集長からストップがかかるまでは続けていこうと考えている。彼らを素材にして原稿料を得る私自身の立ち回りをも、折りに触れて省みながら。                         (ん)


Posted by 北方ジャーナル at 17:45│Comments(0)
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