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2008年02月10日

裁判員制度について

裁判員制度について 来年5月からはじまる裁判員制度は、世論も弁護士側も準備が整わぬなかで、制度だけが先走ろうとしている。よく事件を傍聴する記者が見ても拙速ではなかと危惧が先に立つ。

 はじめに司法制度改革ありきというレールを走り出したとき、現在、混乱に陥った医療制度改革の迷走ぶりが脳裏をよぎる。いったい誰のための、何のための裁判員制度なのか。法曹人口を増やすのは構わないとして、その規模や制度のあり方について、国民の支持や理解は得られているのか。

 たまたま書店で見かけた「冤罪ファイル」創刊号は、裁判沙汰にまったく関心なく、事実と向き合う免疫もない読者には、一つのきっかけになるかもしれない。記者は関心のあった「東電OL殺人事件」がどうなっているのか、現状を見るために雑誌を買ってみた。そして読み進むうちに、裁判員制度のもたらす危うさを再認識させられた。

 法廷で人を裁くという行為に、我々は慣れていない。裁判所はこの制度が謳われるまで、実に閉鎖的な態度を取ってきた。また、マスコミも判決の妥当性について、真っ向から異議を唱えることをしなかった。そして一時的に騒いだ後は、何もなかったように後追い取材をすることもない。

 実際に、記者は裁判官の見識を疑うような判決をいくつも聞いているが、法制度で守られている以上、踏み込んだ私見を述べるわけにもいかない。ただ、こうした雑誌ばかりでなく、我々の周辺で起きている事件の本質を自らの目で判断するためにも、地裁には足を運んでほしいと思う。傍聴人が多ければ、それが無言の有識として映る可能性がある。

 興味のある方は「無限回廊」というサイトを検索してほしい。主だった事件の背景と経過を地味ながらこつこつとアップしている。本誌も読者と共に、身近な事件を考えていくつもりだ。(ぢ)



Posted by 北方ジャーナル at 18:31│Comments(0)
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