月刊誌「北方ジャーナル」公式ブログ

　北海道新聞釧路支社報道部の記者（37）が2月6日、強制わいせつ致傷容疑で逮捕された。この記者、いや「容疑者の男」は1月19日午後10時ごろ、足寄町内にある温泉旅館で従業員の女性をトイレに連れ込み、下腹部などを触って一週間の怪我を負わせたという。警察の調べに対してこの容疑者の男は「当時、酒に酔っており細かなことは覚えていない」と話していると報じられている。

　道新社員の、酒にまつわるトラブルが続いている。
　

■07年1月、同社財務管理室次長（当時）が酒に酔って地下鉄南郷13丁目駅の軌道に寝込み、入ってきた車両と接触して軽傷を負った。この事故の影響で地下鉄12本が運休したが、同社は紙面でこの事故が同社社員によるものと公表せず、「会社員」と報道した。
　
■07年12月20日、札幌・ススキノにあるニュークラブで男性従業員を殴ったとして、札幌中央署は同社制作局所属（当時）の男を傷害の疑いで1月3日に逮捕。男は代金の支払いで店側ともめ、従業員の顔面を数回殴って怪我をさせたという。当初、中央署は発表の際に男が事件直後に精神疾患の治療を受けていることを理由に匿名で発表していた。

　
「酔っぱらって地下鉄に轢かれた」というのも相当なものだが、ニュークラでモメて従業員を殴って捕まったのにもかかわらず、直後に精神疾患の治療を受けたことで中央署が匿名で発表するという事態に至っては、心神耗弱を利用した「偽装」のニオイが芬々としたものだ。
　
　そして今回の容疑者の男も「酒に酔っていて覚えていない」ときた。これらの対応は、まるで精神科に行けば、酒を飲んでいれば、その責任能力は低くなるという「知恵」や「計算」ではないのか。
　
　この世に酒呑みは沢山いるが、被害者の女性が受けた恐怖心を考えれば、「酔った上でのこと」では絶対に済まされない。今回の事件は完璧な性犯罪であり、事実として北海道新聞社にはそういう性犯罪者が記者として存在している（間もなく「いた」に変わるだろうが）ということだ。あえて使うが、「許せない」とはこういう時に使う言葉である。
　
　ある調査によると、道新社員の冬のボーナスは39歳で139万円と伝えられている。北海道離れした他にない高給待遇と独占的なシェアを背景に、記者たちが傲慢になっている側面はないのか。メディア人としての選民意識がそこに見え隠れしている。
　
　しかしこんな調子では、犯罪がバレそうになると病院に逃げ込み、「記憶にございません」を連発する政治家たちを追及できるのだろうか。（ご）