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2008年01月30日

旧拓銀民事訴訟に思う

旧拓銀民事訴訟に思う ずさんな融資で旧拓銀に損害を与えたとして、整理回収機構が元役員らに損害賠償を求めていた民事訴訟で、28日に最高裁判所が元役員13人に101億4千万円の賠償を命じる判決が確定したことは、各マスコミで報じられた通りである。極めて妥当な判決だ。
 鈴木茂、佐藤安彦、山内宏、河谷禎昌らの元頭取をはじめ、海道弘司、秋田甫、武馬鋭稱、藤野公毅、中村弘二、大野忠二、広瀬恭平、八木一郎、志田光弥の各氏は、賠償金を支払う(一部は和解済み)ことになる。
 平成5年4月号で、北方ジャーナルは「拓銀の犯罪」と題する特集を行なった。主な材料は下の目次をご覧いただければ分かる。実は当時、この号は店頭に並んだ午前中に完売となり、しかも買占めのごとく来た者がすべてを引き取った、と書店から連絡が入った。

旧拓銀民事訴訟に思う およそ15年前に、この特集を書いた記者は、地元紙が詳細を報じないことに不信感を抱いた記憶がある。次の5月号でも続報の特集を載せたが、記事にしなかったことも多々あった。その頃、記者が取材を進めながら痛感したのは、「銀行というより役人の集団」に思えたことだ。ノンバンクのペーパーカンパニーを使って、巨額の資金を流し、融資先の破綻が明々白々となった後も、不良債権の顕在化を恐れて、ひたすら隠し通そうとした。また、その隠蔽工作も実に稚拙なものだった。
 最高裁の判決を受けて、機構側は年金など生活に必要な分を除き、「すべて資産を投げ出した」と判断されるまで賠償金の支払いを元役員に迫るはずである。
 今後は刑事責任に焦点が移り、商法の特別背任罪に問われている山内、河谷両被告に対する最高裁の判断が下る。一審の札幌地裁では無罪だったが、二審の札幌高裁(06年8月)では両被告に懲役2年6カ月(求刑懲役5年)の実刑判決が言い渡された。
 資産の没収と懲役刑は当然だろう。
 拓銀破綻の煽りで、どれだけの企業が破綻したか。そして記者が知るだけでも、会社が倒産して自殺した経営者は十指を越える。マスコミは「失われた10年」と題して破綻後の空白ばかりを問題にするが、実のところ問題が生じるまでの「問われない10年」もあったのだ。
 風の噂に聞けば、カブトデコムの元社長・佐藤茂氏は、海外で悠々自適の生活をしているという。(ぢ)

 
注)「北方ジャーナル社」から、当「 Re Studio社」が商号を引き継いだ時点で、雑誌の在庫は整理されており、当該の号はございません。コピー等などには応じかねますので、一読されたい方は道立図書館の利用をお勧めします。





Posted by 北方ジャーナル at 11:28│Comments(0)
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