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2007年11月21日

「失われる多様性」 道内媒体事情あれこれ

「失われる多様性」 道内媒体事情あれこれ  昨今の道内メディア界の裏事情を少しばかり探索してみよう。

 昨今の大きな話題は財界さっぽろの創業オーナーだった薩一夫さんが鬼籍に入ったことだったが、老舗情報誌として知られる「すすきのTOWN情報」(略称すきタン・あるた出版発行)が、この秋に事実上廃刊となり、風俗を排除した情報誌「digot」(ディガ)に生まれ変わったことも大いに話題になった。

 風俗店舗の記事や広告が掲載されていることで、コンビニエンスストアでの扱いが「成人男性向け図書」になってしまうのを避けるための措置とも観測筋は伝えている。が、これまでのすきタンファンの大部分は「がっかり」のようだ。

「居酒屋からスナック、クラブ、風俗…。歓楽街っていうのは本来雑多で多少妖しいところでしょう。そういう意味ですきタンは、よくススキノってマチを反映してました。確かに風俗情報は載ってましたが、全体のイメージはそうではない。何か事情があったとしても、簡単に風俗を切り捨ててほしくないですね」

「雑誌の誌名というのは、その媒体の命と一緒ですよ。媒体名を変えた段階で、もう同じメディアではないと考えた方がいいです。そういう意味では「digot」はもう、すきタンじゃあない」

 同社の事情は事情としてあろうが、ここはまず読者の思いを紹介しておく。熱心な読者ほど、意見も熱い。業界関係者からは、こんな指摘が聞かれた。

「広告収入的にドル箱な風俗を切り捨てた平野(たまみ)社長はスゴいね。割り切ったところもスゴいけど、経営的にも大きな決断でしょう。この先行きはどうなるんでしょうね」

「近年、あるた出版では中高年向けのオジサンマガジン「o.tone(オトン)」を創刊し、ススキノ以外の分野にも扱い範囲を広げています。「すきタン」の事実上の廃刊は、このような同社の流れの反映でしょう」

 他に目線を転じれば、元財界さっぽろ出身で、いままで映像媒体「メガビジョン」の常務取締役だった小田さんが、11月中旬に会社を辞め独立するという動きもあった。詳細は近々会ってからまた紹介したいが、今後の考えのなかにメディア的な事業も含まれているようだ。

 幕を下ろした地域メディアもちらほら。長年に渡りきわどい記事で物議をかもし、公務員必読の情報誌(?)であった射場社長の「人事ジャーナル」やライバル誌「人事エキスプレス」は事実上廃刊となっている。

 当社もそうだが、いま紙媒体の発行事業は印刷紙の値上がり圧力にさらされている。噂では、道新も減頁(ページ減らし)を予定しているとのこと。だが、道新に限って言えば申し訳ないが「頁を減らす前に高給を減らせば」というのが率直な感想だ。読者にしわ寄せしてまで大手マスコミ並みの賃金体系を維持する必要があるのかどうか。


 そういえば、某地元出版社の社員が自殺したとの話も最近耳にした。そうであれば理由の如何を問わず、故人の冥福を祈りたい──。


◆写真は、現在は営業を中止しているススキノのストリップシアター、道頓堀劇場(本誌撮影)。これも失われた多様性のひとつ?


Posted by 北方ジャーナル at 07:23│Comments(0)
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